最初の疑問に戻ろう。IoTとはなんだろうか。果たしてIoTはソフトウェアの世界を一変させ、ソフトウェア工学の再構築を迫るのか。これに対して確実にいえることは「変える場合がある」である。しかしこれでは答えになっていない。ただ、IoTによって新たなソフトウェアの世界の波、新たなソフトウェア工学の波がやって来るのは確実であり、私たちはこの波に備える必要がある。
IoTの品質を考えるため、「IoTならでは」の品質課題を整理したい。果たして、IoTにはどんな品質課題があり、それをどのように整理すればいいのか。まずはSEC報告書ではどのように整理したかを見ていこう。
SEC報告書では図に示すように委員から収集した100個の課題を5個のスコープと3個の観点で分類し、6個の抽象化した課題にまとめている。つまり分類軸としてスコープと観点の2次元を選んだのである。
このSEC報告書をまとめるときの議論がこちらで公開されている。もし興味と時間があれば、議論の途中経過も見てほしい。なぜその課題が選ばれ、その分類が採用されたかの理由を知る手掛かりになるからだ(ただし量が多いので読むには勇気がいる)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
豊富なホワイトペーパーの中から、製品・サービス導入の検討に役立つ技術情報や導入事例などを簡単に入手できます。