2019年のはじめに、本連載で京急蒲田駅とJR渋谷駅のユーザーインタフェースが、利用客に対して優しくないことを解説しました。あれから1年半。本来であれば東京五輪が開催されていたはずの今、両駅のユーザーインタフェースは改善されたのか? 再び訪れてみた。
2019年1月7日公開した本連載コラム「パニック間違いなし!? 難易度高めな『京急蒲田駅』がUI的に絶対NGな理由」で、京急蒲田駅のユーザーインタフェースが分かり難く、初めて利用する客に超難解である理由を写真入りで解説しました。また、返す刀で、それに続く2019年2月2日公開コラムでは、「銀座線が消えた!? 初心者泣かせなJR渋谷駅の方向表示板のワナ」と題し、JR渋谷駅のユーザーインタフェースが良くないことも写真で細かく説明しました。
2つの駅のUIの苦情を書いてから、1年半が経過しています。当時は、新型コロナウイルスはまだ出現しておらず、両駅とも東京オリンピックに向けて、海外からの観光客にも分かりやすいUIになるよう、取り組んだはずです。オリンピックは延期になりましたが、UIの改善は、事前に予算を組んであるので、実施したに違いありません。
先日、京急蒲田駅に行く所用があり、そのついでに、どのようにUIが改善されたかをチェックしました。その勢いで、用事もないのにJR渋谷駅へ行き、どう変わったか、「リットン調査団」の一員として渋谷も「視察」しました。
京急電鉄の京急蒲田駅は、「品川〜横浜間の主要通過駅」であり、「羽田空港線の始発駅」であるため、京急電鉄で圧倒的に重要な駅です。毎日の通勤客だけでなく、羽田空港へ直接乗り入れているため、初めて京急蒲田駅を利用する海外の観光客が非常に多く、駅の構内の案内図(ユーザーインタフェース)には、「日本語が母国語でない人にも理解できる」「シンプルで分かりやすい」ことが常に重要です。
京急蒲田駅の路線を2次元で描くと図1のように一見、単純です。実際の(3次元の)構造は、敷地面積が狭いため上方向に伸び、図2のように2階建てになっていて(正確には、1階が改札口で、2階、3階が乗り場)、非常に複雑に入り組んでいます。
図1の「2次元平面図」を見ると何の問題もないように見えますが、“大きなトリッキーポイント”が、以下の通り3つあります。
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