「固い」自動車業界とLinuxを始めとした「柔らかい」オープンソースソフトウェア(OSS)の距離が縮まっている。その代表格が車載Linux「AGL」だ。AGLのイベントにはAGL開発側だけではなくトヨタなど自動車メーカーも登場し、どうやってOSSを活用していくかを紹介した。
「お固い」業界の代表格と見られてきた自動車産業と、緩やかで柔らかなオープンソースソフトウェア(OSS)の距離が、ここ数年、急速に縮まっている。2018年6月20日から22日にかけて開催された「Automotive Linux Summit 2018」では、その事実をまざまざと感じることができた。
これまで車に搭載されるソフトウェアは、カーメーカーごとあるいはティア1メーカーごと、個別に作り込まれてきた。しかし、求められる機能が増え、クラウドサービスやインターネットとつながったサービスが望まれるようになると、個別に開発していてはコストがかさむ上、市場が望むスビードでサービスを実現できないことから、徐々にLiunxを始めとしたオープンソースソフトウェアの採用が増えつつある。
車載Linuxである「Automotive Grade Linux」(AGL)はこうした背景から生まれた。Linux FoundationでAGL担当のエグゼクティブ・ディレクターを務めるDan Cauchy氏は、2018年6月20日に行った基調講演の中で、「AGLのミッションは、分断化を避けるために単一のプラットフォームを提供し、共通のフレームワークの基でより低コストに、迅速にアプリやサービスを開発し、ひいてはエコシステムを形成することだ」と述べた。
AGLの仕様策定・開発に当たる組織としてのAGLには、2018年だけで既に19社の新規メンバーが加わり、のべ127社がメンバーとなっている。Cauchy氏によると、2018年7月末のリリースを目指して、AGL UCB(Unified Code Base)バージョン 6.0系列(Funky Flounder)の開発が進んでいるところだ。品質向上に加え、「テレマトリクス」「計測器関連」「車載HUD(ヘッドアップディスプレイ)」という3つの新しいソフトウェアプロファイルをリリースする予定という。
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