TDKは、150℃保証の車載向け積層セラミックコンデンサーで、X8RとX8L特性に対応した製品の静電容量拡大に成功した。エンジンルーム内の平滑回路やデカップリング用途に向く。
TDKは2017年1月24日、150℃保証の車載向け積層セラミックコンデンサーで、X8RとX8L特性に対応した製品の静電容量拡大に成功したと発表した。X8Rとは−55〜150℃の温度範囲で、静電容量変化率が±15%という特性を指す。X8Lは−55〜150℃の温度範囲で、静電容量変化率が+15、−40%という特性を指している。
同社が150℃保証のX8L特性品を展開するのは初となる。車載機器の電子化がだけでなく、エンジンルームなどの機構部分の近くに電子制御ユニット(ECU)を設置する機電一体化が進んでいるため、熱に強く高信頼な電子部品がこれまで以上に求められている。
同社はこのようなニーズに対応するため、既存のX8R特性品の静電容量拡大とともに、X8L特性品のラインアップ追加と静電容量拡大を行った。「過酷な温度環境下でも信頼性、温度特性に優れた誘電体材料を開発した」(TDK)と語る。
従来のX8R特性品と比較すると、X8R特性品が約1.5〜2倍、X8L特性品が約5倍の静電容量を実現したという。例えば1.6×0.8mmサイズのX8R、X8L特性品の静電容量は、最大2.2μFとなっている。エンジンルーム内の平滑回路やデカップリング用途に向く。
サンプル価格は50円(3.2×2.5mm、16V、22μFのX8L特性品)。2017年2月から量産し、月産規模は100万個を予定する。
なおX8R特性品では、基板のたわみや熱衝撃によるはんだクラック対策に有効な樹脂電極品と導電性接着剤用シリーズにも対応した。同社の担当者は「導電性接着剤用シリーズは、国内のメーカーにあまり採用されていないが、欧州のティア1メーカーが多く採用しているため、欧州での展開を狙う」とした。今後はさらなる静電容量の拡大を進めるとともに、X8L特性品の樹脂電極品、導電性接着剤用シリーズ対応も進める。
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