これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる新連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
2016年はとにかく大型M&Aが相次いでいる訳で、10月もその例外ではなかった。QualcommによるNXP Semiconductorsの買収、Analog Devices Inc(ADI)によるInnovasicの買収、Silicon LabsによるMicriumの買収、村田製作所によるIPDiAの買収などが報じられている。また10月の枠をはみ出して11月に入るが、11月2日にはBroadcomによるBrocade Communicationの買収とか、11月3日にはPrivate FundであるCanyon Bridge Capital PartnersによるLattice Semiconductorの買収など、業界再編への動きが止む気配はない。
もう少し広範に視野を広げると、InfineonによるInnoluce BVの買収などは昨今高まっている自動運転向けのトレンドに対応したもので、QualcommによるNXPの買収も広範には自動運転なども目指した(話はもっと広くて、自動運転はその一部という考え方もある)もので、こちらは「不足な技術や製品をM&Aで補う」という考え方、一方最初に挙げた多くのM&Aはむしろ「売り上げ規模や製品ポートフォリオの拡充により、競争力を高める」という方向である。
今回はその中で、2016年10月27日に発表された、ADIによるInnovasicの買収をちょっと詳しく見てみたい。Innovasicは組み込み向けのチップ及びモジュールメーカーだが、特にDeterministic Ethernetの分野に強みを持つ。
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