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NVIDIAがGroqを「事実上」買収 CUDA Tileが示す次の一手とは大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)

2025年12月、GroqとNVIDIAが非独占的なテクノロジーライセンスの契約を結んだというニュースが発表された。これはNVIDIAによる、事実上のGroqの買収である。NVIDIAの狙いは何なのか。「CUDA」の課題や、新アーキテクチャ「CUDA Tile」の解説を交えて考えてみたい。

» 2026年01月19日 12時30分 公開
[大原雄介TechFactory]

NVIDIAがGroqを「事実上」買収

 2025年12月25日、GroqがNVIDIAとの間で非独占的なテクノロジーライセンスの契約を結んだというニュースが突如発表された。ただ文面を読むと、確かにNVIDIAはGroqのInference向けTechnology Licenseを入手したが、これに加え

  • Groqそのものは引き続き独立企業として運営される
  • GroqのCEOには、それまで同社の最高財務責任者(CFO)を務めていたSimon Edwards氏が就く
  • Groqの創業者兼CEOだったJonathan Ross氏や社長を務めていたSunny Madra氏らのGroqの主要メンバーはNVIDIAに加わる

事も発表されており、これは事実上のNVIDIAによるGroqの買収である。Groqが独立企業として残されたのは、既に同社はTSP(Tensor Processing Unit)を2020年に発表しており(図1)、これの販売に加えてGroqCloudと呼ばれるクラウドサービスを提供(現在はこちらがメイン)しており、既に顧客も多数獲得している。NVIDIAとしては独占的なライセンスを結ぶと、こうした顧客のサポートまで背負い込むことになる訳で、それを嫌ったのだろう。さらに言えば、Groqが現在提供しているLPUというかTSPそのものを利用したい訳ではない、という事もここから読み取れる。欲しかったのは技術と人、という事が推察できる。

図1:現在はLPU(Language Processing Unit)という名称だが、当初はTSP(Tensor Processing Unit)として紹介されていた。LLMの急速な普及に向けて、LPUの方が理解されやすいと判断されたのだろう[クリックで拡大] 出所:Groq

 ちなみに本件はNVIDIAのサイトには一切掲載が無い。そしてCNBCの報道によれば、今回の買収費用はおよそ200億米ドルだったと報じている。本件は既にITmedia NEWSとかITmediaビジネスオンラインなどでも報じられているが、NVIDIAがGroqのキーパーソンを引き抜いた目的そのものは(NVIDIAが本件にコメントを出していない事もあって)明確にはなっていない。もちろん筆者も真の目的が分かっている訳ではないが、何となく目的が推定できるというか仮説があるので、これをご紹介したい。

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