これを読めば「ここ1カ月の注目すべき、エレクトロニクス業界の市場動向と注目すべき製品」が分かるこの連載。今回は2016年11月半ばに発表されたGE PredixとPTC ThingWorxの協業の「目的」を考察します。
引き続き大型M&Aが相次いだ2016年11月。本稿に関係するところでは、SiemnesによるMentor Graphics買収が一番大きなインパクトであったように思うが(シーメンスがメンターを45億ドルで買収、「デジタルエンタープライズ」加速へ)、これは担当氏が別に記事を書くと思うので筆者はスルーさせて頂き、同年11月16日に発表されたGE PredixとPTC ThingWorxの協業(PTC プレスリリース:PTC、GEデジタルとの戦略的アライアンスを拡大し IIoT市場に統合ソリューションを提供)の話をご紹介したい。
PredixはGE(現在はGE Digitalの管轄)が2015年に公開したPaaS的なプラットフォームである。もともとはGEが自社で開発していたもので、APM(Asset Performance Management:設備投資の効率を最大化するための資産マネジメント)とオペレーションの最適化を目的としている。対象となるのは当然ながら産業機器であって、さまざまな現場での利用を想定している。
よくPredixの事例として引き合いに出されるのがジェットエンジンのリアルタイム監視とそのデータ蓄積を元にした補修/メンテナンスの最適化の例(Photo01)だが、これはもちろんエンジン自体の最適化だけではなく、工場などの稼働状況の可視化や設備メンテナンス、生産状況のトラッキング、これらを総合しての生産予測などといった改善などにも適用できる。
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