仕様書のデバッグは「性悪説」で――将棋「名人位」挑戦規定のバグはどこ?:TechFactory 人気記事TOP10【2018年4月版】
TechFactoryオリジナル記事コンテンツの人気ランキングTOP10をご紹介。今回は、藤井聡太七段の快進撃のごとく、非常によく読まれた「将棋『名人位』挑戦規定のバグ」が第1位を獲得しました。続く第2位は、視聴覚による情報を基にする従来のVRシステムの欠点を補う触覚ウェアラブルデバイス「EXOS」の開発者インタビューがランクイン。「チープカシオ」の生産自動化に取り組む山形カシオの取材記事も必見です。
TechFactory 2018年4月の人気記事ランキング
皆さん、こんにちは。TechFactory編集部です。
今回は、2018年4月1〜30日までの期間に掲載されたTechFactoryオリジナル新着記事コンテンツから、人気記事ランキングTOP10を紹介します(過去の人気記事ランキングを読む)。
4月の人気記事ランキングTOP10
2018年4月1〜30日将棋連盟が定める「名人位」挑戦規定のバグを発見せよ
今回は、人気連載「組み込みエンジニアの現場力養成ドリル」の第3回「将棋『名人位』挑戦規定のバグ」が第1位でした。
先日、加藤一二三(ひふみ)九段が持っていた七段昇段の最年少記録を更新し、15歳9カ月での昇段を決めた藤井聡太七段。若き天才棋士の快進撃のごとく、本記事も非常によく読まれました(ちなみに、記事掲載時点では藤井聡太“六段”でした)。
組み込み系ソフトウェア開発の「現場力」と「開発力」を養うことを目的に、各回ドリル形式の問題を出題する記事ですが、今回は、将棋連盟が定める「名人位」挑戦規定のバグを発見せよ! というお題です。
どのようなバグが潜んでいるのか? 実際に記事をご覧いただきたいと思いますが、世の中にあふれる規定や規則の中身を細かく見てみると、「名人位」挑戦規定と同じようなバグがいくつも見つかります。このような行為は「重箱の隅を突くようなあら探し」に思われるかもしれませんが、“仕様書のデバッグ”という視点でいえば、「性悪説」での対処の方が適切といえます(⇒記事を読む)。
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
» 組み込みソフトウェアの「品質」とは何か
» 組み込み機器でもコードを信用するな――IoTセキュリティの「いま」と「対策」
» 製造業大手15社に聞いたIoT導入の“いま”、求められる技術者像も多様化
» IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト
日産自動車も導入検討する触覚ウェアラブルデバイス
続く第2位は、開発者インタビュー「VR体験の物足りなさを解消する、触覚ウェアラブルデバイス『EXOS』が目指す世界」でした。
製造業の現場においても、デザインレビューや保守サポートのトレーニングなどの分野で、VR(仮想現実)の活用が進んでいます。例えば、3D CADで設計した3Dデータをバーチャル空間上に実寸表示することで、試作機などを開発する前段階で、“実機レス”でのデザインレビューが実現できます。
しかし、従来のVRシステムが提供する“視聴覚による情報”だけでは物足りなさを感じるケースがあるのも事実。よりリアルな実機レス検証を行うためには、3Dデータに触れることが不可欠です。そう考え、“3Dデータに触れる”触覚ウェアラブルデバイス「EXOS」を開発したのが、スタートアップ企業のexiiiです。
浅草橋にあるexiiiのオフィスを訪れ、同社CEOの山浦博志氏と、COOの金子大和氏にEXOSの狙いや優位性、プロトタイプから製品化までの変遷などについて詳しく聞いてきました(⇒記事を読む)。
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生産自動化に適さない腕時計の「自動化」を進める山形カシオ
そして、注目は第10位にランクインした「『チープカシオ』の組立を自動化、国内回帰を低コスト実現したカシオのモノづくり」です。
カシオ計算機の腕時計といえば、「G-SHOCK」や「OCEANUS」といったブランドが有名ですが、安いのに作りがしっかりとしており、ちょっとレトロでどこかおしゃれなファッションアイテムとしてSNSで話題となった「チープカシオ」も忘れてはなりません。この「チープカシオ」の生産自動化を、山形カシオで本格的に開始する(2018年内予定)ということで取材に行ってきました。
腕時計はバリエーションが豊富で、モデルチェンジも頻繁に行われるため、組み立ての最終段階は手作業で行われることが一般的で、生産自動化には「適さない」といわれてきました。ではなぜ同社は「チープカシオ」の自動化に踏み切ったのでしょうか? それも海外ではなく、国内で。記事では、その理由や生産自動化に不向きといわれる腕時計の自動化手法について紹介しています(⇒記事を読む)。
⇒新着:デンソーも導入、カシオの2.5Dプリンタ「Mofrel」がモノづくりを革新する理由
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