デンソーも導入、カシオの2.5Dプリンタ「Mofrel」がモノづくりを革新する理由:カシオ計算機|開発者インタビュー(1/3 ページ)
初期段階のデザイン試作において、金型製作にかかる時間やコストの負担は大きく、頭を抱えている現場も多い。こうした負担は制約となって設計者やデザイナーに重くのしかかり、イノベーティブなモノづくりに限界をもたらしてしまう。そのような状況を打破し、デザイン試作に革新をもたらすのがカシオ計算機の2.5Dプリントシステム「Mofrel(モフレル)」だ。
設計者やデザイナーを“制約”から解放する2.5Dプリントシステム
スピーディーなモノづくりが要求される昨今、試作工程の効率化に頭を抱えている現場も多いことだろう。例えば、意匠面の触感や質感の確認を含むデザイン試作の場合、シボ加工などを施した金型を起こす必要があり、多くの時間とコストがかかる。それは初期段階のデザイン試作でも同様で、限られた製品開発期間やコストといった制約のある中、設計者やデザイナーはどこかで見切りを付けてデザインを決定する必要がある。
もしも、こうした制約を取り払うことができたら――。設計者やデザイナーは、理想を追求したデザイン、これまでになかった新しい表現の実現にチャレンジできるに違いない。
そうした環境をもたらす可能性を秘めているのが、カシオ計算機が開発した2.5Dプリントシステム「Mofrel(モフレル)」だ。
カシオ計算機というと「G-SHOCK」や「OCEANUS」に代表される腕時計や電卓、電子辞書など、コンシューマー向け製品を中心に展開しているイメージだが、B2B向けの製品開発も手掛けている。Mofrelもそうした製品の1つ。これまで、製造業やモノづくり関連の展示会などでお披露目されてきたMofrelだが、製品として正式販売を開始したのは2018年2月。そしてつい先日、デンソーがMofrelの導入を決め、製品開発の試作や要素技術開発に活用する予定だと報じられた。
“2.5Dプリント”をうたうMofrelとはどのようなシステムなのか。カシオ計算機 八王子技術センター 2.5D事業部 技術開発部 第一開発室 リーダーの堀内雄史氏と、同じく2.5D事業部 設計・技術室 リーダーの岩本健士氏に、Mofrelの特長やその可能性について聞いた。
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2.5Dプリントシステム「Mofrel」とは?
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