オムロンが示す「産業用ロボットの未来」――人との新たな協調、設備との協調へ:オムロン|SCF2017 出展社セミナー(1/2 ページ)
オムロンは、「システムコントロールフェア(SCF)2017」(会期:2017年11月29日〜12月1日)の出展社セミナーにおいて、「オムロンが考えるロボット活用によるモノづくり革新」と題し、ここ数年間注力してきたロボット事業をメインに、同社の独自性やロボット活用の進化について語った。
ロボット事業を加速させてきたオムロン
オムロンは、東京ビッグサイトで開催された「システムコントロールフェア(SCF)2017」(会期:2017年11月29日〜12月1日)の出展社セミナーにおいて、「オムロンが考えるロボット活用によるモノづくり革新」と題し、商材の1つとしてここ数年間取り組んできたロボット事業をメインに、同社の独自性やロボット活用の進化について紹介した。
2年ほど前からロボット事業を加速させてきたオムロン。2015年に、ロボット制御技術やビジョンセンサー技術を有する米国の産業用ロボットメーカー、Adept Technology(現:Omron Adept Technologies)を買収している。この買収は、制御機器メーカーとしての同社のFA領域における強みをより強固なものとし、これまで実現が困難だった高度な省人化や、人間と機械との調和の実現を加速させていくこととなる。
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変種・変量生産の自動化をロボットによるセル生産で実現
オムロンが考えるロボット活用について、同社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー ロボット推進プロジェクト 池野栄司氏は「部品供給から出荷まで、トータルで『変種・変量生産』の生産性と柔軟性を両立するモノづくりをロボットで実現する」とし、「I(インプット)」「L(ロジック)」「O(アウトプット)」「R(ロボット)」「+S(セーフティー)」の各要素を連携させ、品種と量を自由に変えながら効率的に生産を行う変種・変量生産をロボットによるセル生産で自動化することを目指すとした。
ただし、「ILOR+Sや自動化に関する技術を有しているだけでは、生産性と柔軟性を両立したモノづくりは実現できない」と池野氏は指摘。これを実現すべく、オムロンは「シームレス」「柔軟」「高速・高精度」「簡単」「迅速」の5つの独自性(ユニークネス)を付加したソリューションを提案する。
(1)シームレスとは、IoT技術によりロボットと全ての機器が統合管理され、情報システムとの融合による見える化を実現すること、(2)柔軟とは、品種変更や需要変動に合わせて自由に組み替え可能な生産ラインを実現すること、(3)高速・高精度とは、ロボットと周辺機械の密結合により、生産設備の高速化と高精度化を実現すること、(4)簡単とは、全ての機器やロボットが接続され、統一されたツールの操作性により立ち上げ、保守時間を短縮すること、(5)迅速とは、世界中の40カ国150拠点のネットワークで迅速なサポートとデリバリーを提供することを意味する。
「バーチャル」と「リアル」をつなぐ統合システム環境
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