DDR5の異常な価格急騰はなぜ起きた? 推測できるシナリオは:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)
2025年11月、DRAMおよびフラッシュメモリの価格高騰が始まった。特にDDR5の価格の上がり方は異常だ。背後に何があるのかを推測してみた。
DRAM価格が高騰
結果から言えば11月の最大のニュースはDRAM/フラッシュメモリの高騰が始まった、というあたりではないかと思う。既に記事はいくつか(例えば「LPDDRが足りない AIブームで価格高騰」)出ているが、ちょっと筆者なりに深堀りしてみたいと思う。
2025年6月の記事「DRAM業界をかき乱す中国勢、DDR4の供給の行方は?」で、DRAMメーカー大手3社(SK hynix/Samsung Electronics/Micron Technology)がDDR4の生産終了をアナウンスしたのに続き、CXMTまで生産中止という報道が流れた事でDDRの価格が突然に高騰。今までにない形でのBit Crossが発生したという話である。現時点でもまだDDR4の値段は高騰中であり、これは要するに大手3社とCXMTは予定通りDDR4の生産を終えるという既定路線に変わりがないことを示している。まぁこの後説明するDDR5の状況を考えたら、DDR4の生産終了は妥当というか、他にやりようがないという感じなのは理解できる。
理解できないのはDDR5の推移だ。前回2025年4月3日から6月6日までのDRAMExchangeにおけるDDR4 16Gb(2G×8) 3200とDDR5 16Gb)2G×8) 48500/5600のスポット価格の推移をご紹介したが、もうちょっとその後まで拾ってみた結果をプロットしたのがグラフ1である。10月3日の後が12月2日まで飛んでいるのは、Wayback Machineにこの間のデータが保存されていなかったためなのでご容赦頂きたいが、再びBit Crossが発生している事が分かる。それも上がり方が極端すぎるのが問題である。
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