DDR6までの中継ぎで注目のMRDIMM/いろいろ怪しいIntelのDCAIロードマップ:大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/4 ページ)
エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、DDR6までの中継ぎ役として注目される「MRDIMM(Multi-Ranked DIMM)」と、IntelのDCAI(Data Center and AI Group)の動きについて紹介する。
3月は引き続きAI周りが大きな動きとして挙げられるのだろうが、前回の話題の延長でしかないので今回は割愛させて頂くとして、大きな動きとは言えないものの面白い話が3月はいくつか出てきたので、これらをご紹介したいと思う。
MRDIMM(Multi-Ranked DIMM)
2023年3月28、29日にシリコンバレーにあるComputer History MuseumでMemcon 2023が開催されたが、ここで行われたJEDECのプレゼンテーションの一部を、AMDのRobert Hormuth氏(CVP, Architecture and Strategy, Data Center Solutions Group)がLinkedInに投稿している。これは要するに何か? というと、DDR6までの中継ぎである。
DDR5は既にメインストリームのポジションを確立し、DDR5-4800は問題なく量産されており、DDR5-6400も視野に入っている。ただプロセッサの性能の方は、さらに早いスピードで向上しつつあるため、プロセッサ性能とメモリ帯域のギャップは広がるばかりである。DDR6の方は現時点では全くスケジュールが未定であり、少なくとも2024〜2025年の枠で製品が出てくる可能性は非常に低い。解決策の一つはメモリチャネル数を増やす事だが、既にAMDのEPYC 9004シリーズはCPUソケット当たり12chものDDR5 DIMMを装着するようになっており、これ以上増やすのは配線的にも実装面積的にも厳しい。
そこでDDR6が登場するまでのつなぎとして、既存のDDR5 DIMMを利用しながらより広帯域(と、大容量)のメモリを利用するための方法としてAMDなどがJEDEC標準化を働きかけているというのがMRDIMMである。
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