日立金属は、金属3Dプリンタに適した金属粉末を用いて、強度と耐食性に優れたハイエントロピー合金「HiPEACE」の造形に成功した。
日立金属は2018年4月、金属積層造形(金属3Dプリンタ)に適した金属粉末を用いて、強度と耐食性に優れたハイエントロピー合金「HiPEACE」の造形に成功したと発表した。
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ハイエントロピー合金は、5種類以上の元素が同程度含まれる合金。強度と耐食性に優れるが、鋳造性や加工性が難しいという課題があった。
今回使用した金属粉末は、日立製作所の研究開発グループと共同開発したもの。これまで蓄積してきたCAE解析技術によって材料の特性や変形を検証した他、金属積層造形の特性に合わせることで、最適化した。金属粉末の生成には、真空ガスアトマイズ法を用いた。
積層造形プロセスでは、局所的に粉末層を溶融・凝固させることで、ハイエントロピー合金の造形に成功。完成した造形物は、高い強度と延性、耐食性を備えており、既存のニッケル基合金よりも過酷な環境で使用できる可能性があるという。同社では今後も実証実験を進め、実用化を目指すとしている。
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