シーメンスPLMソフトウェア
産業用3Dプリント技術の本格活用に不可欠な4つの条件(1/2 ページ)
金属3Dプリンタをはじめとする産業用Additive Manufacturing(AM:積層造形)技術を本格的かつ大規模に活用し、真の価値を引き出すためには? シーメンスPLMソフトウェアがそのポイントを解説した。
産業用AM(積層造形)技術の活用に求められるもの
シーメンスPLMソフトウェアは2019年3月14日、同社 アディティブ・マニュファクチャリング担当 バイスプレジデントのアーロン・フランケル(Aaron Frankel)氏の来日に伴い、産業用Additive Manufacturing(AM:積層造形)の最新動向と、同社の取り組みを紹介する記者説明会を開催。産業用AMの可能性、AMを活用する上での障壁、そして、それらをクリアにするシーメンスのソリューションについて詳しく説明した。
冒頭、フランケル氏は「AMを活用した試作や実験などはある程度、誰でも行えるようになってきた。しかし、産業用途でAMを活用するとなると、設計段階からAMに最適化する必要があり、製造に関しても高精度かつ高い再現性を実現した造形が求められる」と指摘する。
そして、こうした要求をクリアし、本格的かつ大規模に産業用AMを活用するためには、次の4つの項目を実現する必要があるという。その4つとは、
- 設計から製造に至る全工程のデジタル化/デジタルスレッド化
- 産業用AMに最適化された設計の実現
- 3Dプリンティングをする前段階でのクオリティー確保
- マニュアルオペレーションの排除
である。
「現在、AMを活用する場合、各工程で別々のツールが用いられ、それらは接続されておらず、連続性がない。これらをデジタルでつなげる必要がある。また設計段階においても始めからAMを前提とした設計が必要で、シーメンスではそのためのツールを用意している。そして、重要なのは実際に3Dプリントする前に、課題点を全て予測し、それらを排除しておくことだ。また、大規模にAMを活用するためには設計と製造の双方でマニュアルによるオペレーションを極力排除しなければならない。このような障壁を取り除くことができれば、産業用AMから大きな価値を引き出すことが可能となる」(フランケル氏)
例えば、従来の製造方式などに縛られないAMを前提とした設計アプローチを採用することで、形状的に不可能だったものが可能になったり、製造工程そのものを見直すことでツールコストを削減できたりする。また設計、製造のやり方が変わり、革新的なプロダクトが生み出せるようになれば、ビジネス全体が大きく成長する可能性がある。
「顧客に対してより個別化された製品を届けることが可能となり、プロダクトミックスにも柔軟性を持たせることができる。在庫に関してもAMを活用することで大幅に削減することが可能になるだろう」と、フランケル氏は産業用AMの本格活用で得られる価値について説明する。
このような大きな価値を生み出すことから、シーメンスは産業用AM領域をビジネス上、重要な位置付けとしており、自らの活用を含め、グループを挙げて、産業用AMに関連する要素技術や製品、サービスの開発に取り組んでいる。また、同時にパートナー企業との協業を軸とするエコシステムの構築も進めており、複数の3Dプリンティング技術(造形方式)を包括的にサポートできる体制を整えている。
既に、シーメンスのソリューションを用いた産業用AMの取り組みを推進する事例も複数登場しており、部品点数の削減や製造リードタイムの短縮など、産業用AMを活用した効果が得られているという。
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