玩具業界でも本格化する3Dツールを活用したモノづくり。総合玩具メーカーのエポック社でも、同社を代表する製品ブランドの1つ「シルバニアファミリー」の開発において、3D CADやフルカラー3Dプリンタを活用した“3Dモノづくり”に取り組んでおり、意思決定の迅速化やリードタイムの短縮といった成果が出始めているという。
玩具業界においても3Dツールを活用したモノづくりの波が本格的に押し寄せているようだ。「野球盤」「ポカポンゲーム」「シルバニアファミリー」などで知られる総合玩具メーカーのエポック社もその1つだ。
同社では、2002年から3Dツールを活用したモノづくりに本腰を入れ、2次元環境での設計から3次元設計へと移行。この大きな転換により当初は反対も多く、3D推進の取り組みは難航したというが、3D CAD「SOLIDWORKS」、そしてフルカラー3Dプリンタ「Stratasys J750」などの導入によって、従来の製品開発プロセスを大きく変革することに成功したという。
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本稿では、ソリッドワークス・ジャパン主催の国内ユーザー向け年次プライベートイベント「SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2017」の事例講演に登壇した、エポック社 シルバニア本部 シルバニア商品部 技術室 マネージャーの西野晃一氏の講演「SOLIDWORKSとフルカラー3Dプリンタを活用した開発事例」の模様を紹介する。
本テーマの中心となるのが、ガールズトイ(女の子向け玩具)「シルバニアファミリー」だ。シルバニアファミリーが誕生したのは1985年のこと。販売開始から30年以上経過しているが、今なお人気の同社を代表する商品である。「シルバニアファミリーは、自然に囲まれた世界を舞台に、人間のように生活している動物の家族たちが愛に満ちた暮らしを繰り広げ、その様子を美しく細やかに情景化したトイシリーズである」(西野氏)。
シルバニアファミリーは、日本を含む世界60カ国以上で展開されており、発売以来、累計約1億5000万体ものシルバニア人形が販売されているという。定期的にシルバニア人形や建物、小物などで構成されるシリーズ商品がリリースされており、2017年4月に登場したばかりの「シルバニアファミリー タウンシリーズ」の製品化においても、3Dツールが大いに活用されている。
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