IT専門調査会社のIDC Japanは、国内3Dプリンティング市場における2014〜2016年までの推移と実績、2021年までの市場予測を発表した。3Dプリンタ本体の出荷台数が低迷する中、3Dプリンタ市場に希望はあるのだろうか?
3Dプリンタ本体の国内出荷台数および売り上げが減少している――。
クリス・アンダーソンの「MAKERS」の出版、オバマ前大統領が一般教書演説で3Dプリンタに言及したことなどを受け、日本国内でも2013年から2014年にかけて一気に3Dプリンタ市場が盛り上がった。
IDC Japanの調査によると、2014年、この3Dプリンタブームに乗り、多くの企業が先行投資を行ったことで、国内3Dプリンタの本体出荷台数は前年比約3倍の9900台となり、本体売り上げも211億円を記録した。しかし、その反動はすぐに表れる。翌2015年の国内3Dプリンタ本体出荷台数は前年比−19.6%の7957台、本体売り上げは前年比−30.6%の146億円となり3Dプリンタ本体市場の成長は低迷する。そして、2016年もその傾向は続き、国内3Dプリンタ本体出荷台数は前年比−9.0%の7241台、本体売り上げは前年比−19.0%の118億円という結果となった。
この傾向は、製造分野などで活用が進むプロフェッショナル3Dプリンタ(産業用ハイエンド3Dプリンタ)も、個人ユースを含むデスクトップ3Dプリンタ(ローエンド3Dプリンタ)も基本的に同様である(※)。しかし、落ち込みの度合い的にはデスクトップ3Dプリンタの方が顕著であり、その傾向はしばらく続くとみられている。その理由について、IDC Japanのアナリストである三谷智子氏は次のように説明する。
※IDC Japanでは、50万円以下の3Dプリンタを「デスクトップ」、50万円以上を「プロフェッショナル」と分類している。
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