豆蔵と東京農工大学は、産業用ロボットアームの開発期間を短縮する設計手法の実用化に関する共同研究の成果を発表した。産業用ロボットアーム開発での実機試作回数を大幅に減らし、早期市場投入を支援する。現在、豆蔵はロボット領域への取り組みを強化しており、今回の設計手法を軸とした開発支援やコンサルティングの他、自社ロボットの開発なども視野に入れているという。
豆蔵と東京農工大学は2017年3月10日、産業用ロボットアームの開発期間を短縮する設計手法の実用化に関する共同研究の成果を発表した。
従来の産業用ロボットアームの新規開発は、既存のロボット開発の経験に基づき、実機ベースでの試作・検証を繰り返し行いながら開発を進めるため、完成までに数年を要するケースが少なくなかった。そのため、競争力のある産業用ロボットを早期に市場投入することが難しかったという。
こうした課題に対し、豆蔵と東京農工大学は、少ない実機試作回数で(量産機と)同等の性能を達成する設計手法の構築に関する共同研究を開始。豆蔵の強みであるソフトウェア技術およびモデルベース開発プロセスと、東京農工大学 工学研究院 先端機械システム部門 教授 遠山茂樹氏のロボット工学の知識を融合させることで、産業用ロボットアームの開発期間を短縮し、早期市場投入を可能とする設計手法の構築に取り組んできた。
「産業用ロボットアームの市場投入までのスピードを上げるには、1回で3〜4カ月かかるといわれる実機試作の回数を減らすことだ。今回、試作回数を減らしつつ、その上で品質と性能を担保できる設計手法を構築し、その有効性を確認することができた」と、豆蔵 シニアコンサルタント 大国征司氏は説明する。
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産業用ロボットアームの実機試作回数を減らしつつ、その上で品質・性能を担保できる設計手法とはどのようなものなのか? 開発プロセスの大枠を以下で紹介する。
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