設計者CAEは普通の解析と何が違う?(6)
「装置用架台」をテーマに、DFMEAシートを埋めていく(1/3 ページ)
「設計者CAE」という言葉が設計現場で聞かれるようになって久しいですが、3D CAD推進とともにきちんと設計者CAEに取り組んでいる企業もあれば、まだ途上あるいは全く着手していないという企業もあるかと思います。連載第6回では、前回に引き続き「設計FMEA(DFMEA)」を取り上げ、具体的な進め方について解説します。
前回、「設計FMEA(以下、DFMEA)を解析の入り口で使ってみてはどうか」というお話をしました。個別受注型装置の引き合いでは、「構想レイアウト」の作成と、概要を記載した「装置仕様書」により、顧客との打ち合わせが始まることが多くあります。
この段階では詳細設計をしていないので、構想レイアウトも装置仕様書もとても“ラフ”な状態です。顧客との打ち合わせを繰り返すことで、構想レイアウトと装置仕様書はブラッシュアップされていきます。
構想レイアウトや装置仕様書の作成に全社員が参画していれば、問題が生じる可能性はより低くなりますが、その作成は1人の構想設計者やごく一部の社員の経験値によって行われることがほとんどだと思います。もちろん、この経験値が科学的に解明されている企業の技術基盤であれば問題はありませんが、実際は、属人的なものに大きく依存していることが多いでしょう。
なお、本稿で紹介しているDFMEAは“筆者流”にアレンジしたもので、厳密には点数制で重要度を入れる必要のある本来のFMEA/DFMEAとは少し異なります。
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こんな場面を見たことがあります。
このタイムチャート通りで、ロボットハンドは静定するの?
いや、構想なのでそこまでは見ていないのですが……。
このユニット、剛性上問題あったよね? 知っているでしょ?
いいえ、知りません。……そうなのですか?
他の装置で温度変化による位置ずれの問題があったけど、熱の問題は大丈夫?
排気を取ればいいと思いますが……。
このように、受注後の設計着手時におけるレビュー段階で、潜在的な問題が発見されることがあります。
この時点で問題が発見されても、顧客に対して、仕様検討のやり直しや、原価見積もりの変更が生じることによる見積書の再提示、つまり追加請求をするようなことはできません。顧客は要求仕様を満足したものとして、また見積もり金額が要求仕様に対して妥当性があるものと判断した上で発注しているのです。このような場合、潜在的な問題を抱えて、詳細設計はスタートします。
新規設計要素がある場合はどうでしょう。新規設計では、その製作実績がありません。技術計算はしているものの、筆者の経験では「多少なりとも問題はあるだろうな……」と本音では思うことが度々あります。そう思ったときには、間違いなく何か問題が起こっているのも事実です。
この新規設計要素は、その設計者だからこそ不安に思う設計仕様があることと、第三者が冷静に、時には“いじわるで”(言い方はよくありませんが)、“気付き”として技術課題を見つけることがあります。このような“リスクを見つける作業”“気付きの作業”がとても大切なのですが、時間に追われる設計者にしてみれば、
そんな話(ヒアリング)なんてしている暇はない! 早く設計しないと間に合わないよ。
面倒だ!!
といった意見が正直なところでしょう。
簡単にはいかないDFMEAですが、「全社で設計製造品質を上げていく」というマインドと「できる限り設計者を“設計”に集中させたい」という考えを、設計者に理解してもらった上で、DFMEAに取り組みたいというのが筆者の思いです。
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設計者CAEは普通の解析と何が違う?
「設計者CAE」という言葉が設計現場で聞かれるようになって久しいですが、3D CAD推進とともにきちんと設計者CAEに取り組んでいる企業もあれば、まだ途上あるいは全く着手していないという企業もあるかと思います。本連載では、設計者CAEがもたらすメリットや実際に導入していく上での注意点を、現場目線でご紹介します。◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[CAE][設計者CAE][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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