矢野経済研究所は、機械系CAE世界/国内市場に関する調査結果の概要を発表した。
矢野経済研究所は機械系CAE市場に関する調査を実施し、その結果概要を2016年6月20日に発表した。
同調査は2016年1〜5月までの期間、CAEベンダーを対象に行われたもの。ここでの“機械系CAE市場”とは、構造解析、熱流体解析、樹脂成形解析、鋳造解析といった、機械系システムの強度や流体における抵抗などの特性を解析するCAEツールを対象とし、事業者売上高をベースにその規模を算出したものである。
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2015年の機械系CAE世界市場規模は、前年比6.9%増となる31億3400万米ドルとなった。これまで中国を筆頭とする新興国が世界経済をけん引してきたが、2015年以降は資源価格の低迷や中国経済の成長鈍化などが影響し、世界経済は減速傾向にある。そのため、製造業の設備投資額の影響を受けやすいCAE市場も成長率は鈍化していく見込み。ただし、中期的に見ると市場は安定的な成長を続け、2020年の機械系CAE世界市場規模は46億5500万米ドルになると予測する。
対して、2015年の機械系CAE国内市場規模は、前年比4.7%増となる672億3200万円となった。2015年までの数年間で、極端な円高から円安へと転換したことで、輸出型製造業の業績は好転。世界経済の停滞感を受け、日本経済の動向も不透明感が出てきているが、製品開発期間の短縮など、CAEへの期待は根強く、機械系CAE市場は安定的な成長を続ける見通しだという。そして、その後も市場は成長していき、2020年の機械系CAE国内市場規模は918億円に達すると予測。
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