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FA機器のAI/IoT化計画――2020年までに完了目指すオムロン

オムロンは各種FA機器に最適なAIアルゴリズムを搭載し、熟練技術者の知見や勘をAIに置き換えることで製造業が抱える課題を解決し、“機械が人の能力、創造性を引き出す”未来のモノづくり現場の実現に取り組んでいくことを発表した。

» 2017年05月09日 10時00分 公開
[八木沢篤TechFactory]

 製造現場における熟練技術者不足の解消や人件費削減に向け、FA機器にIoT(Internet of Things)やAI(Artificial Intelligence)技術を搭載しようとする動きが活発化しつつある。

 オムロンは2017年4月25日、マシンオートメーションコントローラーなどの各種FA機器に最適なAIアルゴリズムを搭載して、熟練技術者の知見や勘をAIに置き換えることで、製造業が抱える人材不足や人件費に関する課題を解決し、“機械が人の能力、創造性を引き出す”未来のモノづくり現場の実現に取り組んでいくことを発表した。


“不良を作らず、止まらない”モノづくり現場の実現へ

 同社は2015年に、10万点にも及ぶ同社のFA機器を全てIoT対応することを表明しており、既に関連機器の販売を開始すると同時に、AI搭載型モバイルロボットなどの各種産業用ロボットやモーション制御技術を獲得し、これらをグローバルに提供している。また、2017年4月には「業界初」(同社)をうたうAI搭載の温度調節器の販売を開始するなど、豊富なFA機器ラインアップにAIやIoT、ロボティクス技術を組み合わせた取り組みを強化。現在は、オランダや中国、日本などの自社や顧客の工場において、各種FA機器へのAIアルゴリズムの搭載や、生産現場でのIoT活用に向けた実証実験を進めているという。

 今後同社は、IoTやAI技術をモノづくり現場の「道具」として顧客が活用できるよう、マシンオートメーションコントローラーに加え、センシング機器などにも最適なAIアルゴリズムを実装し、2020年までにFA機器のAI/IoT化を完了する計画を掲げる。こうした展開により、装置や生産ラインの状態、製品の品質を保全し、“不良を作らず、止まらない”モノづくり現場を実現することで、製造現場における課題解決の支援をより一層強化していく構えだ。

「業界初」のAI搭載コントローラー、商品化は2018年を予定

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