生産ラインにおいてばら積みされた部品のピッキング作業は運搬と並び人手で行われる事の多い作業だが、3Dマシンビジョンとロボットによる自動化が普及しつつある。3Dマシンビジョンの主な方式や製造業における導入事例、導入メリットについて解説する。
製造業の生産ラインにおいて、バラ積みされた状態の部品をロボットでピックアップして次工程に供給する「部品供給工程の自動化」が着目されている。
部品は通常、他の工場や工程で製造され、輸送などにおいて部品箱の中でバラ積み状態となっていることが多い。しかしロボットはバラ積みされた部品のピッキングは苦手であり、部品供給における工程については、ロボットが作業できるように人が所定の位置に部品を整列するなど自動化が進んでいなかった。
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パーツフィーダを利用できる場合もあるものの、大きな部品には適用できない、個別の部品形状に合わせた作り込みと調整が必要、部品が詰まるといった問題が生じることも多く、あらゆる現場に素早く適用できるかと言えば否となる。
他の手段として2Dビジョンを用いた認識(二次元認識)を使用する方法もあるが、二次元(平面方向)の認識であるため、高さが不定のバラ積み部品の位置や姿勢の認識ができないという問題が残る。
この課題は、バラ積み部品の三次元認識が可能な「3Dマシンビジョン」の導入で解決することが可能である。そこで、キヤノンは、従来不可能であったバラ積み部品のピックアップを高速かつ高精度に行える三次元認識機能を搭載した製品「RV1100」「RV500」「RV300」を開発し、生産ラインにおいて、部品供給工程の自動化を実現するための生産現場の新しい姿を提案している。
ここでは3Dマシンビジョンシステムの現状、キヤノン製システムで用いられている3Dマシンビジョンシステムの処理フローと特徴、3Dマシンビジョンシステムの導入シーンについて解説する。
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