スマート工場の目標を端的に言えば、「新手法を取り入れた生産性向上」である。このテーマに2000年代前半から取り組む日立 大みか事業所のシステム設計担当者が発した「現在が変わって、初めて意味がある」という言葉の真意を探る。
製造業において近年話題となっている「スマート工場」の目標は、誤解を恐れずにいれば「新たな手法を取り入れることによる生産性の向上」といえる。実現に向けたアプローチとしては「つながる」ことによる可視化や製造業IoT、CPS(Cyber Physical System)の概念導入などが存在し、その成果として、多品種少量生産の工程最適化やトータルコスト低減、人手不足の解消といった果実を得ることが、スマート工場の目的だ。
制御盤を始めとした制御装置を生産する日立製作所の大みか事業所はこうしたスマート工場のモデルケースの1つとして注目されており、近年では蓄積したノウハウや取り組みを「日立大みか事業所 IoT適用事例ご紹介コース」という研修プログラムとして社外に公開するなど、「スマート工場の具体化」について先行している。
2000年代前半から見える化に取り組み、工場のスマート化に深い知見と長い経験を持つ大みか工場はどのように改善を進め、IoTやAI、そしてARなどの技術が台頭する現在、どんな未来像を描いているのか。システム設計担当者が発した、「現在が変わって、初めて意味がある」という言葉の真意を探る。
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