ここで紹介した制御盤生産におけるデジタルデータ活用を違う言葉で表現するならば、RFID生産監視システムによる「見える化」、作業改善支援システムによる「改善指示」、モジュラー設計システムによる「設計フィードバック」、工場シミュレーターによる「作業ロス改善」を循環させることで、「工場全体の最適化」を進める取り組みといえる。
工場における改善というテーマではどうしても組立工程の話が耳目を集める。大みか事業所の制御盤組立ラインにおいても、設計時の3D CADデータを用いた「組立ナビゲーションシステム」や1品生産に対応した「進捗・稼働監視システム」、作業台のカメラ映像を分析してボトルネックを抽出する「作業分析システム」など興味深いソリューションが稼働している。
これらはその部分部分においての生産活動を高く効率化するものであるが、それでも、大みか事業所の門間隆之氏(情報制御第3本部 IoTシステム設計部 担当部長)は部分最適化ではなく、「全体最適化」の重要性を強調する。その背景にあるのは、日立製作所が過去に陥った経営危機とその打開策にある。
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