IDC Japanは、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)ヘッドセットの国内および世界出荷台数と今後の市場予測を発表した。2017年の世界出荷台数は前年比減となったが、2018年は再度成長に転じる見通し。2017年〜2021年の年間平均成長率(CAGR)は52.5%を見込む。
IDC Japanは、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)ヘッドセットの国内および世界出荷台数と今後の市場予測を発表した。2017年の世界出荷台数は836万台で、前年比9.1%の減少となったが、2018年は再度成長に転じ、出荷台数は前年比48.5%増の1242万台となる見通し。2017年〜2021年の年間平均成長率(CAGR)は52.5%を見込んでいる。
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2017年の世界AR/VRヘッドセット市場が前年比マイナス成長となった最大要因として、同社ではスクリーンレスタイプ(スマートフォンを装着するタイプ)のVRヘッドセットが出荷減となったことを指摘する。これは、ベンダーがスクリーンレスタイプヘッドセットをスマートフォンにバンドルすることを取りやめる動きが続いた一方で、消費者側での新規購入が極めて少なかったためだとする。
この流れを受け、これまでトップであったスクリーンレスタイプはスタンドアロンタイプ(単独で動作可能なタイプ)、ケーブルタイプ(PC等に接続して動作するタイプ)によってシェアを侵食され、2022年までに合計出荷台数の過半数を占めると予測する。
また、AR/VRヘッドセットの利用用途についても予測を実施。VRヘッドセットは、当初消費者向けが大半を占めるがビジネスユーザー向けも徐々にシェアを拡大し、2022年にはビジネス利用の比率が半数近くに達するという。ARヘッドセットは、高度な製造技術とそれに伴う高コスト傾向のため、2022年までビジネス利用が中心になる可能性が高いと見込んでいる。
2017年の国内AR/VRヘッドセット市場は合計出荷台数が約34万台となり、前年比187.7%増の大幅成長となった。これは、エンターテインメントや不動産、観光等のビジネス分野で、スクリーンレスヘッドセットによるAR/VR活用が進んだためとする。
同社は「世界の流れから後れを取ってはいるものの、スクリーンレス型ヘッドセットを活用したVRの利用がようやく日本でも広がりつつある」とするが、「一般ユーザー・消費者に目を転じた場合、ヘッドセットによるAR/VR体験者はまだまだ少数派と言わざるを得ず、現状の成長速度に甘んじることなく、さらなる裾野の拡大を続けていく」ことが重要と指摘している。
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