ゲームやエンタテイメント分野で存在感を発揮し始めているVRだが、本命は製造や建築など産業用だとの見方がある。しかし、「その本命」で普及するには欠けている要素があるように思える。
概念自体は古くから存在してたVR(Virtual Reality:仮想現実)だが、2016年にはゲームをはじめとしたエンタテイメントのいち手法として強い存在感を発揮するまでに成長した。強い存在感こそまだエンタテイメント分野に留まっているが、製造業や建設業の設計から製造、マーケティング、販売、メンテナンスといった産業用領域にも影響を及ぼしつつある。
「VR環境は5年前ならば“SF”、2年前なら“いつ実現する?”と呼ばれただろうが、今では現実のものになっている。調査会社によればVR/ARは2025年までに800億ドル(約9兆円)の市場へ成長するといわれているが、現在注目されているゲームはそのなかで1割程度を占めるにすぎないだろう。大半は映画製作や医療、自動車、製造、建築などといったビジネスの中で使われるだろう」(NVIDIA Bob Pette氏)
VR映像の生成に欠かせないGPUを手掛けるNVIDIAも産業領域を強く意識している。2017年1月26日に開催された「NVIDIA Pro VR Day 2017」では、ビジュアライゼーションの分野で25年以上の経験を持つ同社のBob Pette氏(Vice President, Professional Visualization)はこのように、VR/AR市場の“本命”は産業用だと語る。
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