サンゴの骨格組織のような中空構造を採用したミシュランの次世代コンセプトタイヤ「VISION」。リサイクル素材を材料とした3Dプリント技術で製造することを想定しており、路面と接地するトレッドはオンデマンドで目的地や天候に合わせたものを提供する。「ITmedia Virtual EXPO 2018 春」の講演では、VISIONプロジェクトの取り組みや、ミシュランが推進するデジタルファブリケーション技術の活用事例などを紹介する。
フランスのタイヤメーカーMichelin(ミシュラン)が研究開発を進める次世代のタイヤ「VISION(ビジョン)」をご存じだろうか。“持続可能なモビリティ”をテーマに、2017年6月に開催された同社主催のグローバルサミット「MOVIN'ON 2017」で発表されたエアレス仕様のコンセプトタイヤだ。
特筆すべきは、サンゴの骨格組織のような中空構造を用いたデザイン、「ジェネレーティブデザイン」を採用した形状。従来のホイール部分を含めたタイヤ全体を、生分解性素材を材料とした3Dプリント技術で製造することを想定しており、路面と接地するトレッドは、車両と通信してオンデマンドで目的地や天候に合わせたものを提供する。エアレス仕様のため、パンクやバーストの心配は不要。生分解性素材を採用することで、環境負荷の軽減も図られている。
YouTubeに公開されているコンセプト映像を見れば一目瞭然だが、車載情報機器に目的地を設定すると、雪が降っていることを知らせてくれ、その天候下の路面に適したトレッドパターンを提案してくれる。ドライバーは途中の専用ステーションに立ち寄り、3Dプリント技術により雪仕様のトレッドパターンをVISIONに印刷し、そのまま雪山へと向かう――。
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このような次世代タイヤの研究は一体どのようにして進められたのか?
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