オムロンは、生産現場において熟練作業者が行ってきたヒーターなどの温度パラメーター調整をAI(人工知能)関連技術で自動化する温度調節器と包装機用温度センサーを発表した。
オムロンは2017年3月、生産現場において熟練の作業者が行ってきたヒーターなどの温度パラメーター調整をAI(人工知能)関連技術で自動化する温度調節器「E5CD/E5ED」と包装機用温度センサー「E52-CA□AY S□」を同年4月3日から発売することを発表した。
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生産現場では、製品の多品種化によりモノづくりが複雑かつ高度になる中、最適地生産の観点から新興国への生産移管が進み、作業者の技能不足に起因する不良発生や生産性の低下が深刻になっている。特に成形工程や包装工程では、生産品目の変更ごとに行うべき調整ができず、温度に起因する品質低下を避けるために、装置の運転速度を落としたり、検査に掛ける工数を増やしたり生産性が課題となっていた。
そこで、オムロンは、長年培った温度制御のノウハウを生かし、業界初となる「適応制御技術」をはじめ、成形機や包装機向けの温度調整アルゴリズムを搭載した温度調節器「E5CD/E5ED」を開発した。「E5CD/E5ED」は、ヒーターの起動に合わせ常に最適な値にパラメーターを自動的に更新するなど、人手による調整作業をなくしながら各種装置の高速運転を実現し、生産性を低下させることなく、品質の維持や向上に貢献する。
さらに、包装材のシール面の温度を正確に測定できる包装機用温度センサーを新開発。測定した値をから、ヒーター温度の変動を抑制する「自動フィルター調整機能」を搭載しており、包装速度や包装材料の変更に伴う調整作業を大幅に削減する。
成形機向けには、独自アルゴリズム「水冷出力調整機能」によってシステム変更に起因する、温度の揺れを常時把握し自動的に抑制。運転速度や材料配合、冷却水の変更などによって成形機の生産性が低下するのを防ぐ。
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