DeNAが徹底解説
トヨタも取り組む次世代モビリティ戦略の一手、「MaaS」とは何か?(3/3 ページ)
モビリティサービスを主導するのは自動車メーカー? サービス事業者?
では、モビリティサービスを主導するのは自動車メーカーなのか? それともサービス事業者なのか? 現状は双方、それぞれを中心とした動きがありながらも「競合関係、綱引きの関係ではない」(中島氏)という。
近年、自動車メーカーがコネクテッドされたクルマのオープン化、API(Application Programming Interface)の提供を進めており、サービス事業者との連携を視野に入れた“水平分業”の流れが生まれている。この仕組みを活用することで、サービス事業者側はプラットフォームを顧客あるいは事業者へ提供することが可能となる。
また従来、自動運転システムなどの車両制御に関わるコア技術は、自動車メーカーが担う部分であったが、近年、サービス事業者側が独自に車両制御システムを開発し始めており、トヨタ自動車をはじめ、自動車メーカー側も車両制御に関わる部分のオープン化に一定の理解を示すようになってきた。e-Palette Conceptを打ち出したトヨタ自動車は、車両制御インタフェース(API)を自動運転の開発を手掛ける企業へ開示することを発表し、完全自動運転社会を見据えた“クルマのプラットフォーム化”にも取り組んでいる。
ただし、車両制御に関わる部分のミドルウェア開発には多大な投資が必要なため、プレイヤーも限られてくる。例えば、Tesla(テスラ)やGoogle、Uberなどは自動運転に伴う車両制御の領域まで踏み込んでおり、Teslaにおいては車両の製造まで手掛けて垂直統合化を進めている。「車両制御に関しては、年間数千億円の投資が必要になる。DeNAとしては現時点で自動運転などの車両制御に踏み込むことはせず、モビリティに関するサービスプラットフォームの部分に投資を行い、サービス展開を進めていく方針だ」と中島氏。
交通システム不全解決へのシナリオは「シェアリング自動運転」へ収束
MaaSが必要とされる背景の1つに、都市化がある。2030年には人口の約60%が都市部に集中するといわれている。かつて(1960年代)のモータリゼーションの時代は拡散、郊外化の時代であったが、これからはコンパクトシティー化が加速する。それと同時に、エネルギー、地球温暖化、交通事故、渋滞、駐車スペース不足(稼働率)の問題にも取り組んでいく必要がある。また日本では、これらに加えて高齢化やドライバー不足といった特有の課題も抱えており、シェアリングと自動運転への期待は非常に大きい。「流れとして、シェアリングからなのか、自動運転からなのかは分からないが、最終的には『シェアリング自動運転』というかたちに収束するだろう」(中島氏)
最後に中島氏は、「日本は世界屈指の自動車技術の集積エリアであり、電車で数時間移動すれば、優れた技術を持った自動車関連メーカーを簡単に見つけられる。また、深刻なドライバー不足の観点などから『ロボットが人間の仕事を奪う!』と相対的に言われにくいという優位性もある。高速鉄道の輸出のように、日本独自の強みを持ったMaaSが世界を席巻する可能性は十分にある」と述べ、MaaS勉強会をまとめた。
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