設計者CAEは普通の解析と何が違う?(番外編)
CAE視点で振り返る「SOLIDWORKS WORLD 2018」(1/2 ページ)
今回は、連載「設計者CAEは普通の解析と何が違う?」の【番外編】として、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された「SOLIDWORKS WORLD 2018」のレポートをお届け! 筆者が見聞きしてきた“新しい設計アプローチ”の可能性について、設計者CAEを推進する立場から詳しく紹介します。
現地時間2018年2月4~7日、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されたSOLIDWORKSユーザーの祭典「SOLIDWORKS WORLD 2018」(以下、SWW2018)に参加してきました。筆者は、これで6回目の参加となります。
今回お届けする連載「設計者CAEは普通の解析と何が違う?」は【番外編】として、SWW2018で筆者が見聞きしてきた“新しい設計アプローチ”について紹介します。これらはCAE(解析)との関係も深く、設計者CAEを推進する皆さんにとっても、知っておくべきトピックスだと思います。
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トポロジー最適化
約1年前に開催されたSWW2017で「トポロジー最適化」に関する発表がありました。この時、SOLIDWORKSブランドの最高経営責任者(CEO)であるジャン・パオロ・バッシ(Gian Paolo Bassi)氏が予告した通り、SOLIDWORKSにおけるトポロジー最適化機能は2017年11月に提供開始された「SOLIDWORKS 2018」で利用可能となりました。具体的には、「SOLIDWORKS Simulation Professional」「SOLIDWORKS Simulation Premium」のサブスクリプションユーザーを対象に、トポロジー最適化機能が提供されました。筆者は正式リリース前に行われる、ユーザーを対象としたβプログラムに参加し、SOLIDWORKSにおけるトポロジー最適化の評価を行ってきました。
SOLIDWORKS Simulationにおけるトポロジー最適化機能「トポロジースタディ」は、応力解析結果に基づき強度を確保した上で、質量削減を絶対値設定、相対値設定(%)で行い、軽量化された設計案(形状)を求めることができます。
それではトポロジースタディの例を示します。図1のモデルはAlloy Steel(合金鋼)製で、取り付けネジ位置を完全拘束し、ボス面に100psiの圧力を設定して、質量削減30%で最適な形状を求めることにします。
トポロジースタディで解析結果を求めるには、ゴールの設定が必要です。このゴールには、“最適な剛性対重量比”“指定した頂点の最大変位を最小化する”“変位制約で質量を最小化する”という3種類の選択肢があります。
実際に結果(図2~4)を見てみると、負荷のかからない部分が削除されており、有機的な形状になっていることが分かります。ただ、ここで得られた結果を即座に“設計案”として採用できるかというと、少々厳しい言い方をすれば「まだまだ」という印象です。
一方、SOLIDWORKSのパートナー企業からもトポロジー最適化に関する提案がありました。SWW2018では、前回に引き続き日本から構造計画研究所が出展。ブースも盛況で、SOLIDWORKSのアドインでトポロジー最適化/形状最適化を行う構造最適化ソフトウェア「HiramekiWorks」と、粉体解析ソフトウェア「iGRAF」の展示デモを行っていました。この分野でも日本企業が頑張っています。以下、HiramekiWorksの形状最適化にフォーカスして紹介します(図5)。
図5は、剛性維持、最大ミーゼス(Mises)応力維持で、体積を44%削減したものになります。既に穴の開いた形状に対し、形状最適化を実行することで、設計案として採用しやすい、表面形状が滑らかかつ軽量化された形状を得ることができます。
SOLIDWORKS Simulationのトポロジースタディについては、その特性を詳しく理解し、評価する必要があるでしょう。筆者の経験では、対象構造に対してトポロジースタディを実行しても、結果が対称構造にならないことが何度かありました。SOLIDWORKSが標準で提供するもの、あるいはパートナー企業がアドインとして提供するもの、いずれにせよトポロジー最適化を実業務で活用するには、どのような特性があるのかをしっかりと学んでおく必要がありそうです。
なおSWW2018では、次期バージョンの「SOLIDWORKS 2019」で実装予定の新機能の“チラ見せ”こと、スニークプレビューがありました。トポロジースタディに関しては、これまで拘束条件として応力のみ設定できましたが、新バージョンでは安全率と固有値が追加されるようです。2018年夏ごろにはβ評価が開始されると思われますので、今から楽しみです。トポロジー最適化のさらなる進化と解析業務での実用化に期待しています!
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設計者CAEは普通の解析と何が違う?
「設計者CAE」という言葉が設計現場で聞かれるようになって久しいですが、3D CAD推進とともにきちんと設計者CAEに取り組んでいる企業もあれば、まだ途上あるいは全く着手していないという企業もあるかと思います。本連載では、設計者CAEがもたらすメリットや実際に導入していく上での注意点を、現場目線でご紹介します。◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[CAE][設計者CAE][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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