SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2017
3つのアプローチで設計自動化を実現する「SOLIDWORKS」――そのビジョンと戦略(1/2 ページ)
国内ユーザーイベント「SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2017」(東京)の基調講演に登壇したSOLIDWORKS ブランド CEOのジャン・パオロ・バッシ氏は、同社が取り組む設計自動化に関する3つのアプローチと製品戦略について言及。最新の「SOLIDWORKS 2018」から提供されるトポロジー最適化機能の詳細を説明した他、Webブラウザベースの新設計ツール「Xdesign」の可能性についても触れた。
「自動化による支援を受けることで、エンジニアたちはより素晴らしい設計が行えるようになるだろう」――。
ソリッドワークス・ジャパン主催の国内ユーザー向け年次プライベートイベント「SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2017」(会場:東京/会期:2017年11月10日)において、SOLIDWORKS ブランド CEOのジャン・パオロ・バッシ氏はこのように訴え掛けた。
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ミッドレンジ3D CAD「SOLIDWORKS」――その歴史と特長
TechFactory編集部が製品担当者にインタビューを実施し、その内容をまとめた「商用3D CADカタログ 2017年版」。今回はミッドレンジ3D CADとして製造分野を中心に幅広く利用されている「SOLIDWORKS」を取り上げ、その歴史や特長を紹介する。
SOLIDWORKSが目指す、設計自動化“3つ”のアプローチ
バッシ氏は基調講演および記者説明会の中で、SOLIDWORKSが掲げるデザインの未来について言及。将来の設計環境において重要なキーワードとして「統合」と「自動化」を紹介し、「1つのプラットフォーム上で、メカ/電気/電子といった複合領域における設計を可能とし、そこで解析まで行える総合的な設計環境が必要である。そして、この統合化と近しい存在として自動化があり、今われわれが開発を進めている中で重要なビジョンの1つとなっている」(バッシ氏)という。
同社が自動化に取り組む目的は2つある。1つは設計から製造までの距離を短くし、現状多くの時間を割いている単調なマニュアル作業をなくすこと、もう1つは設計者のナレッジギャップを埋めることだ。「今日の設計者は素晴らしい製品を作るために、例えば設計だけでなく加工や製造に関する知識といった多くのナレッジが要求される。しかし、現実にはそれらを1人で全てカバーするには限界がある。こうしたナレッジギャップの低減を自動化で支援する」とバッシ氏は自動化に取り組む意義を述べ、具体的に同社が開発を進めている、あるいは実装済みの設計自動化“3つ”のアプローチについて紹介した。
1つ目は、アシスト型の自動化アプローチである。例えば、キャスター付きの椅子を設計している場合、車輪(ホイール)を5つある椅子の脚先に1つ1つ繰り返し取り付ける作業を行う必要がある。「シンプルな作業だが実際に操作してみると意外に面倒で時間がかかる。ソースとなるジオメトリ、行き先などを定義し、さらにどのように接合するかを設計者が決める必要がある。このような椅子の設計を普段から行っている設計者は、これまでこのような操作を何度となくこなしてきたはずである。ここに機械学習(マシンラーニング)によるパターン分析のアプローチが活用でき、それにより自動化が行える」(バッシ氏)。
デモンストレーション(の映像)では、設計者がカタログから使用するホイールを選択して、それをデザインエリアに持っていくだけで自動的にホイールが5つの椅子の脚に取り付けられる様子が披露された。「わずか1クリックの操作だ。これで膨大な時間を節約できるだろう」とバッシ氏。
2つ目は、拡張型の自動化アプローチだ。こちらは先ほどのアシスト型よりも高度な自動化だとし、バッシ氏は「コンピュータが設計者の代わりにジオメトリを一から自動生成して、一番最適な形状を推奨してくれる。試行錯誤を何度も繰り返さずともコンピュータが最適形状を導き出し、それを出発点としてより完成度の高い設計を迅速に行うことができる。設計サイクルの短縮化だけでなく、信頼性とパフォーマンス確保を両立させた設計が可能となるだろう」と説明する。
こちらの機能は、「デザインガイダンス」と呼ばれる技術がベースとなっており、設計者がデザインスペース、拘束条件、荷重条件、キープアウトエリアなどを指定することで、これらを加味した最適形状をコンピュータが自動生成してくれる。ちなみに、同社以外の他社3D CAD製品でもコンピュータが形状を一から作り出す形状合成のアプローチの研究開発が進められており注目を集めている。
そして3つ目は、自律型の自動化アプローチである。これは設計者(人)の介入が一切不要なアプローチで、コンピュータが完全に自律した状態で設計の自動化を可能にするものだ。その具体的な機能として、SOLIDWORKSの最新バージョン「SOLIDWORKS 2018」に追加された「SOLIDWORKS CAM」を紹介。「SOLIDWORKS CAMは、これまでのCAMとは異なり、完全に自律化したシステムである。自動的にフィーチャーやサーフェスの仕上げ、さらには公差などの情報を理解し、完璧な加工パスを提示してくれる。製造技術に精通していなくても設計者が自らの目で、その設計判断が製造に与える影響を確認できる。自動化によりナレッジギャップを低減でき、設計の初期段階から製造を意識した高度な設計が行える」とバッシ氏。ちなみに、SOLIDWORKS CAD製品のサブスクリプションサービス(保守)契約を結んでいるユーザーであれば、「SOLIDWORKS CAM Standard版」を利用できる。
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