ミッドレンジ3D CADとして幅広く活用されている「SOLIDWORKS」。1995年に「SolidWorks 95」がリリースされ、ダッソー・システムズの買収を経て、現在に至るまでの歩みと、誕生以来変わらぬ製品思想とその特長を紹介する。また、現行バージョンの注目機能、次期バージョンに搭載予定の機能についても取り上げる。
3次元設計ソフトウェアの「SOLIDWORKS」。ミッドレンジの3D CADとして、製造業を中心に幅広く活用されている。まずはその生い立ちを簡単に振り返ってみよう。
1993年に設立された米SolidWorks(ソリッドワークス)が、業界に先駆けて1995年にWindows完全準拠の3D CADとして「SolidWorks 95」の販売をスタートさせた。将来的に、Windowsが普及することを見込んでの製品戦略であったが、当時はまだ「UNIX」が業務用コンピュータOSの主流であり、「SolidWorks 95はなぜUNIXで動かないのか?」という問い合わせを受けることもあったそうだ。しかし、この戦略こそが、後のミッドレンジ3D CADとしてのSOLIDWORKSの地位を高めることにつながっていく。
SolidWorks 95のリリースから2年後の1997年、大きな転機が訪れる。ハイエンド3D CAD「CATIA」を手掛けるフランスのDassault Systemes(ダッソー・システムズ)による買収だ。しかし、幸いにもCATIAとの製品統合という選択はなされず、CATIAとのすみ分けを維持しつつ、SOLIDWORKSブランドは継続され、Windows対応のミッドレンジ3D CADの位置付けでシェアを拡大していった。ちょうどそのころ、Windowsがコンシューマーから次第にビジネス/業務の現場でも活用されるようになり、SOLIDWORKSの普及を大きく後押ししたという。
以降、CATIAの機能あるいはダッソー・システムズが新たに買収してきた製品の機能などを取り込みながら、SOLIDWORKSは製品の機能強化および拡充を進めてきた。現時点での最新バージョンは、「SOLIDWORKS 2017」である(原稿執筆時点:2017年7月)。
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