ハイエンド3D CADの代名詞的な存在である「CATIA」。最新バージョンの「3DEXPERIENCE CATIA」では、ダッソー・システムズが提唱する「3DEXPERIENCEプラットフォーム」の上で動作し、「デザイン」「機械設計(エンジニアリング)」「制御(システムエンジニアリング)」に関する豊富な機能群を、CATIAという単一アプリケーション上で提供する。
大規模アセンブリの設計・開発において力を発揮するハイエンド3D CAD。その中で、特に航空宇宙、船舶、自動車などの分野で存在感を示しているのがフランスDassault Systemes(ダッソー・システムズ)の「CATIA」である。
CATIAは、もともとフランスの航空機メーカーDassault Aviation(ダッソー・アビアシオン)が自社航空機の設計のために開発したソフトウェアで、その開発部隊を中心に1981年、ダッソー・システムズが設立された。
1980年代前半から80年代後半にかけて、CATIA V1/V2/V3をリリース。IBMメインフレーム上で動作するハイエンド3D CADとして、国内外の自動車や航空宇宙メーカーで採用を拡大していった。この当時はワイヤーフレーム/サーフェスモデルで3Dの形状を表現していた。そして1993年にリリースされた「CATIA V4」は、UNIXワークステーションで動作し、ソリッドモデルに対応した。
1997年、ダッソー・システムズは米SolidWorksを買収し、Windows対応のミッドレンジ3D CAD「SOLIDWORKS」を手にする。CATIAとの製品統合は行わずに、CATIAとのすみ分けを維持しながらSOLIDWORKSブランドを継続。そして、1999年にWindows対応の「CATIA V5」をリリースする。自動車、航空宇宙、産業機械メーカーなどに採用され、日本では2001年にトヨタ自動車がCATIA V5の採用を決めている。
その後、ダッソー・システムズのPLMソリューション「ENOVIA」(2006年5月に買収された米MatrixOneの製品)と統合された「CATIA V6」が2008年に登場。このタイミングでファイル管理の仕組みがファイルベースからデータベース方式に変更され、CATIA(CAD)、「SIMULIA」(CAE)、「DELMIA」(生産工程)などのデータが全て同じ基盤(ENOVIA)上で一元管理できるようになった。
CATIA V6は、2014年にリリースされた「R2014x」から名称を「3DEXPERIENCE CATIA」に変更している。3DEXPERIENCE CATIAは、ダッソー・システムズが提唱する「3DEXPERIENCEプラットフォーム」の上で動作(データ管理はENOVIAが行う)し、「デザイン」「機械設計(エンジニアリング)」「制御(システムエンジニアリング)」に関する豊富な機能群を、CATIAという単一アプリケーション上で提供する。なお、3DEXPERIENCE CATIAはオンプレミスでの利用に加え、サーバやデータベース構築が不要で気軽にCATIAの最新環境が利用できるクラウド版の「3DEXPERIENCE CATIA on the Cloud」も用意されている。
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