SOLIDWORKS WORLD 2018
ポルシェやVANSのノウハウが詰まった「URB-E」がラストワンマイルを埋める
米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された「SOLIDWORKS WORLD 2018」のプロダクトショーケースにて、自転車のような手軽さと電動スクーターのような移動体験、そして所有する喜びを併せ持った、折り畳み式の電動二輪車「URB-E(アービー)」が展示されていた。
将来、世界人口の約70%が都市部に集中するという予測がある。こうした動きに伴い、都市部内における移動手段にも変化が生まれようとしている。その1つが国内でも広がりつつある自転車のシェアリング事業(シェアサイクル)である。
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自宅から最寄り駅まで、あるいは会社から近くの取引先までなど、都市部におけるわずかな距離の移動を考えると自動車は適さない。なぜなら、駐車場を探し回る必要があり、渋滞に巻き込まれる可能性もあるからだ。都市部でのラストワンマイルの移動を考えるならば、自転車のような手軽な移動手段が求められる。
2018年2月4~7日(現地時間)、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された「SOLIDWORKS WORLD 2018」のプロダクトショーケースにて、自転車のような手軽さと電動スクーターのような移動体験、そして所有する喜びを併せ持った、折り畳み式の電動二輪車「URB-E(アービー)」が展示されていた。このURB-Eを開発および販売するのは、ベンチャー企業のURBAN626である。
プロダクトではなくソリューションとして設計された「URB-E」
URB-Eのコンセプトは、折り畳めて、どこへでも持ち運べるパーソナルな移動手段であること。このアイデアを持ち込んだのが創業者の1人であるGrant Delgatty氏だ。フットウェアブランドのVANSでデザイン責任者を務めていたこともある人物で、URB-Eの開発においてはインダストリアルデザインを担当している。
URB-Eのデザインはとても印象的だ。大胆に穴の開けられたアルミフレームは、デザイン性だけでなく、軽量化にも大きく貢献している。こうしたデザインの根底には自動車業界で培った設計ノウハウがあるという。創業者の1人でエンジニアのSven Etzelsberger氏はPorsche(ポルシェ)の開発に携わった経験のある人物で、「自動車設計の経験を基に、不要な材料を除き、必要な部分だけを残すというアプローチで、軽量化を図った。このURB-Eの設計において『SOLIDWORKS』を活用した」と語る。
世の中には既に電動自転車やスクーターのような移動手段もあるが、URB-Eはそうした“プロダクト”としてではなく、都市部の抱える課題を解決する“ソリューション”として位置付け、設計されている。実際、URBAN626を支援する投資家は、彼らのこうした思想に共感し、事業をサポートしているという。
また、エネルギー消費の観点からも次のようにURB-Eの優位性をアピールする。「わずかな距離の移動において、わざわざ1.5tの乗用車で体重80kgの人を運ぶ必要があるだろうか? 自動車を動かせば、その分エネルギーを消費する。URB-Eの重量はわずか13.6kg。エネルギーも自動車の1.5%程度しか使用しない」(Delgatty氏)
URB-Eの部品に関しては、BoeingやSpaceXなどの航空宇宙関連企業に部品供給を行っているローカルパートナーから調達、組み立てはURBAN626自ら手掛け、「組み立てラインにはトヨタ生産方式の原則を導入している」(Etzelsberger氏)という。
URB-Eは、既に世界39カ国を対象に5000台ほど出荷されている。その全てが直販で、実店舗は米国内に2店舗あるという。「設計したものを、直接消費者に届けることに大きな意味がある。顧客から製品のフィードバックを直接もらい、その声を製品開発に生かすことにより、競争優位性を高めることができるからだ。URB-EのプロモーションにSNSを活用しているが、批判されてもそれを隠さず、その声にしっかりと耳を傾けて真摯(しんし)に対応したいと考えている」(Etzelsberger氏)
さらに、URB-Eをアイコン的なブランドとして位置付けるために、“自分のもの”としてカスタムできることも重要だという。URB-Eは「スポーツ」「プロ」の2つのシリーズをラインアップ、トータル4製品を展開する。購入者はボディーカラーを選択したり、アクセサリーを購入してカスタマイズしたりすることが可能だ。また、顧客がデザインしたURB-Eを、URBAN626を通じて販売することもできるという。
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