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» 2018年02月08日 07時00分 公開

ITmedia Virtual EXPO 2018 春【メカ設計 EXPO】:犬型ロボット「aibo」の“愛らしさ”と“表現力”を実現するソニーの設計思想

ソニーが2018年1月11日に販売を開始した犬型ロボット「aibo(アイボ)」の“愛らしさ”はどこからくるのか? 製品コンセプト、そしてそのコンセプトを具現化するために工夫した、苦労した設計ポイントをaiboの開発メンバーに聞いた。

[八木沢篤,TechFactory]

 企画段階で決定したコンセプトを、最終製品のデザインにどうやって落とし込むかは、設計者の腕の見せ所だろう。特にコンシューマー製品にとってデザインは、機能や性能と同じくらい、そのプロダクトの成功を左右する重要なファクターといえる。

 ソニーが2018年1月11日に販売を開始した「aibo(アイボ)」も、製品コンセプトを見事に具現化したプロダクトの1つ。aiboは人に寄り添い、人の愛情の対象となる製品として、「愛らしさ」「躍動感のある表現力」「知的認識」「学習と成長」の4つのコンセプトを基に開発が進められた。このコンセプトの中で、特にデザインと大きく関わるのが、愛らしさ、そして躍動感のある表現力である。

ソニーが2018年1月11日に販売を開始した「aibo(アイボ)」 ソニーが2018年1月11日に販売を開始した「aibo(アイボ)」

豊かな表現力を実現するため「目」にOLEDを採用 豊かな表現力を実現するため「目」にOLEDを採用

 aiboの開発チームは少数精鋭、愛らしさを実現する上でまずメンバーがこだわったポイントの1つが“生命感”だという。特に先代のAIBOから大きく変わった「目」がそれを象徴しており、さまざまなアイデアの中から高い表現力を実現できるOLEDを採用したそうだ。平らなOLEDのディスプレイを、愛らしい丸みを帯びた目のように見せるためにさまざまな工夫が施されており、金型の出図ギリギリまでこだわって設計したのだという。

 そして、aiboの躍動感のある表現力を支えているのが、丸い関節を持った脚である。実は、aiboの全体のサイズ感を決定付けたのが脚の大きさだという。aiboの脚の肩関節に当たる部分には2軸アクチュエータが、膝関節に当たる部分には1軸アクチュエータが組み込まれている。この2つのアクチュエータを1本の小さな脚の中に格納し、仕様通りの動きを実現しなければならないという要求を両立させるために大変苦労したそうだ。この両立を可能にしたのが、ソニーがaiboのために新規開発した小型高出力のアクチュエータと、これを見事に小さな脚の中に組み込んだ設計チームの技術力である。

丸い関節も「aibo」の特長の1つだ 丸い関節も「aibo」の特長の1つだ

 小さな脚を実現できたことで、胴体も先代モデルよりもスリムになった。このかいもあって、かわいらしい小型犬のようなサイズ感を実現できた。しかし、胴体のサイズが小さくなるということは、使用できる内部空間も限られてしまう。しかも、今回のaiboは腰に1軸追加したことで、胴体部分が内部的に分断されている。実際、aiboの基板は複数に分割してレイアウトされているそうだ。

 また、頭部もOLEDやセンサーが組み込まれているため、配線数が先代モデルの数十本から約90本に大幅に増え、首から胴体にかけてこれらを配線しつつ、耐久性を確保するのに苦労したそうだ(首も1軸追加されている)。こうした設計メンバーの血のにじむような努力があったからこそ、aiboの愛らしさが実現できたといっても過言ではないだろう。

かわいいポーズを決める「aibo」 かわいいポーズを決める「aibo」。尻尾や耳の触り心地も良く、材質にもこだわったという

 ちなみに、aiboの総パーツ数は約4000点あり、頭部、脚などそれぞれが、それなりの電気製品並みの部品ボリュームになるそうだ。しかも、生命感を損なわないようにするため、外からネジが見えないよう工夫してある。外観の愛らしさに思わず目を奪われてしまうが、コンセプトを大切にし、それを最後まで貫き通したaiboのデザイン/設計思想についてもぜひ注目してもらいたい。



 なお、「ITmedia Virtual EXPO 2018 春」(会期:2018年2月14日〜3月9日)の【メカ設計 EXPO】[参加無料]の講演「新型『aibo』の設計・デザインに込められたもの」で、aiboの開発秘話を聴講することができる。この機会にぜひITmedia Virtual EXPO 2018 春【メカ設計 EXPO】にご来場いただきたい。

ITmedia Virtual EXPO 2018 春【メカ設計 EXPO】[参加無料]:

新型「aibo」の設計・デザインに込められたもの
ソニーが開発した自律型エンタテインメントロボット「aibo(アイボ)」。愛らしい動きと、その丸みを帯びた生命感のあるデザインや質感も特徴的だ。この駆動部とデザインはどのような設計開発プロセスを経て実現されたのか。製品開発の際の試作プロセスや、苦労した設計ポイントなどについて開発メンバーに話を聞いた。

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