「ある程度顧客がついたあたりで製品ディスコン、顧客が霧散」というパターンはこの後も繰り返されることになる。
理由はやはり、製品を発売してその四半期中に売り上げが立つPCのマーケットに慣れてしまうと、デザインウィンから売り上げが立つまで3〜5年の時間がかかり、しかも、その売り上げがまず急伸しない組み込み向けのマーケットは、コストに見合わないという判断だったのだろうと思う(Intelも同じようなことを繰り返しているが)。
その後、AMDはK6/K7/K8とアーキテクチャを更新してゆき、組み込み向け製品も更新に応じて用意されるものの、目立ったシェアを取るには至らなかった。こうなると顧客の側としても、「AMDはPCと同じ扱いでしか組み込みを扱ってくれない」という見方となり、そうした扱いでも構わない製品でしか使わなくなる。これはこれで仕方ないところだ。
こうした流れが一変するのは、現在の最高経営責任者(CEO)であるLisa Su氏がAMDにやってきてからだ。IBM出身、という話は良く知られているが、実はIBMとAMDの間にFreescaleを挟んでいる。2007年にFreescaleへ入社した際は最高技術責任者(CTO)だったが、途中からNetworing and Multimedia Groupを率いることになり、AMDの入社までは組み込み市場を相手にビジネスをしていた。
組み込みプロセッサも内包する「Spectre」「Meltdown」の脆弱性、その正体と本質的な問題
「ARMコアの普及」(後編)――Intelの牙城に迫るプロセッサIP
「ARMコアの普及」(前編)――AppleとNokiaに見初められたプロセッサIP
躍進の兆しを見せる「RISC-V」、最初のターゲットは?
収束しない現代的CPUの脆弱性と、苦境を脱せないQualcommCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
豊富なホワイトペーパーの中から、製品・サービス導入の検討に役立つ技術情報や導入事例などを簡単に入手できます。