フリーの命令セットアーキテクチャである「RISC-V」が盛り上がりを見せている。さまざまなベンダーが取り組んでおり、市販製品への実装も近いように見える。では、どのような機器にRISC-V製品が搭載されるのだろうか。
2018年の1月、EE Times Japanに「RISC-VはEmbeddedでマーケットシェアを握れるのか」という記事を書かせてもらった。このオープンな命令セットアーキテクチャ(ISA)であるRISC-Vについては、その後もじわじわとエコシステムの充実が進んでいる。今回はこのあたりを紹介したい。
2017年12月に開催されたイベント「RISC-V Day 2017 Tokyo」ではRISC-V FoundationによるRISC-Vの紹介(基調講演と命令セットの紹介)と、Esperanto TechnologiesとAndes Technology、それにSiFive、Microsemiの4社によるRISC-Vを実装したプロセッサコア/IPなどの紹介の他に、Red HatによるRISC-V OSやHyperVisor、SynopsysのASIPツール、SeggerによるRISC-V向け開発環境なども紹介されていた。
さすがにこれらについて詳細を取り上げるとキリがないのでかいつまんで紹介すると、「RISC-VにFedora/RHEL/CentOSの移植を行っており、最終的にはRISC-Vベースの業界標準サーバを構築できるところまで持ってゆく」(Red Hat)、「提供するASIP DesignerというASPI開発ツールに、Z-ScaleというRISCV32IM仕様のモデルを提供する。これを利用してRISC-Vコアを開発できる」(Synopsys)、「現在は32bitのみであるEmbedded Studio for RISC-V及び、理論上は全てのRV32コアに対応可能なJ-Link RISC-V Support(今はSiFiveのIPに対応)を紹介」(Segger)と、各社から「単にハードウェアだけではなく、ソフトウェアやプラットフォームの充実についても取り組みが進んでいること」がアピールされていた。
そのRISC-Vの開発環境あるいはプラットフォームであるが、2017年から2018年にかけて充実の度合いが加速している。順不同ではあるがトピックを並べてみた。
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