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HBMの代替どころか、勇み足で終わりかねない「HBF」大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/4 ページ)

サンディスクが広帯域フラッシュ「HBF(High Bandwidth Flash)」の開発と戦略を支援する「HBF技術諮問委員会」を設立した。HBFとは何なのか。広帯域メモリ「HBM」の代替をうたうが、うまくいくのだろうか。

» 2025年08月18日 11時30分 公開
[大原雄介TechFactory]

 2025年7月もいろいろあったのだが、その中からHBF(High Bandwidth Flash)の話を取り上げたいと思う。

 HBFの概略は「HBMと同等コストで記憶容量8倍、サンディスクが「HBF」推進強化」にまとまっているが、もともとは2025年2月11日に開催された"Future FWD: Sandisk 2025 Investor Day"のスライドで公開された話である(図1)。要するにHBM(High Bandwidth Memory)と似たような構造であるが、DRAMの代わりにFlash Memoryを積層すれば、帯域を変えずに8〜16倍のメモリ容量を確保できることになる。現在のGPUとかAIプロセッサのボトルネックは、オンパッケージに搭載できるメモリ量の少なさであり、例えば100B(1000億)個のパラメータを持つ大規模言語モデル(LLM)を稼働させようとすると、仮にパラメータが全部4bit(FP4)だとしても50GB(ギガバイト)ほどのメモリを占有する事になる。

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