TechFactory通信 編集後記
バーチャル空間で3Dデータに触れる「EXOS」は、なぜB2B市場を狙うのか
“触れること”は大切。
exiii(イクシー)という会社をご存じでしょうか? 高額な筋電義手を低価格で実現する「handiii」や同技術をオープンソース化した「HACKberry」などを手掛けてきたスタートアップ企業で、最近ではVR(仮想現実)領域で新たなソリューションを提案しています。
それが、触覚ウェアラブルデバイス「EXOS(エクソス)」です。従来のVRは、基本的に視聴覚の情報を基にバーチャル空間を体験するものでしたが、そこにある3Dオブジェクトに触れることはできませんでした。この従来のVRに存在した“物足りなさ”を解消するのが、EXOSです。「触覚」とある通り、バーチャル空間の3Dオブジェクトに触れられることを目指したデバイスで、現在、手に装着して指でモノをつかむ感覚を再現する「EXOS Gripper DK1」と、手首に装着して固定物に触れた感覚を再現する「EXOS Wrist DK1」をリリースしています。
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バーチャル空間で3Dデータに触れる「EXOS」は、なぜB2B市場を狙うのか
VRは、製造業のデザインレビューなどに活用され始めていますが、バーチャル空間の3Dオブジェクに触れようとしても、伸ばした手が(3Dオブジェクトを)突き抜けてしまうという欠点がありました。デザインの世界ではオブジェクトの距離感も非常に大切で、例えばどのくらい手を伸ばしたらクルマの天井にぶつかるか、ムリなく車載情報機器のボタンが押せるかなど、“触れること”へのニーズが非常に高いといいます。こうしたニーズを捉えたexiiiでは、同デバイスを活用した「『CADデータに触れる』3Dデザインレビューシステム」を開発。現在、日産自動車がこのシステムの実用性を検証しているそうです。
このことからも分かる通り、彼らがまず狙うのはB2B市場です。その理由について聞いてみると「コンシューマー向けのビジネスモデルの場合、どうしても回転率が悪い」といいます。多数の人を1つの空間に収容してコンテンツを流し、何度も入れ替えて収益を生み出す映画のようにはいかず、VRは「1人やっては次、1人やっては次」の繰り返しです。さらに、全員が同じようにVRシステムやウェアラブルデバイスを使ってくれるとは限らず、アテンド(サポート)する人員が必須である点も理由として挙げます。こうした手間を打破できるようなアイデアと巡り合うまでは、「実務(B2B)の世界に軸足を置く」といいます。
そんなEXOSの開発経緯や狙いについて、exiii CEOの山浦博志氏とCOOの金子大和氏に詳しく聞いてきました。ご興味のある方は、インタビュー記事「VR体験の物足りなさを解消する、触覚ウェアラブルデバイス『EXOS』が目指す世界」をぜひご覧ください。
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