富士通が製造業のサプライチェーン全体を含有した、包括的なモノづくり支援サービス「COLMINA」(コルミナ)を提供する。「つながる」ことを重要視し、中小企業でも利用しやすい価格体系も用意する。
富士通は2107年5月9日、製造業に向けた包括的なデジタルモノづくり支援サービス「COLMINA」(コルミナ)を同年7月より順次提供開始すると発表した。生産の高度化だけではなく資材調達から設計、販売管理/予測、他社とのサプライチェーン連動などもあわせて提供することで、製造業の関連するさまざまな領域を支援する。
COLMINAはこれまで同社が製造業に向けて提供してきた設計や製造、保守といったさまざまなサービスを組み合わせ、また、新たなデバイスやソフトウェアを開発し、顧客企業の要望に応じて提供する。しかし、「PLMで製品/生産の設計支援」「SCMで生産管理/製造実行」のように領域ごとの提供ではなく、つながる仕組みを用意することで、コスト削減や競争力強化、ビジネスモデルの革新といった製造業の要望に応える狙いだ。
具体的には、生産設備からデータを集める「COLMINAエッジ」、データを連係させる「COLMINAプラットフォーム」、現場改善や保守などのアプリケーションである「COLMINAサービス」の3領域で構成されており、製品稼働状況を元にしたサービスビジネスの展開や複数工場の見える化、多品種少量生産の実現といった価値を提供する。
製造業向けの包括的ソリューションとしては、GEの「Predix」やファナックの「FIELD system」、日立製作所の「Lumada」などが先行しており、長年にわたって製造業に向けたサービスや製品の提供を行っている富士通といえども、包括的ソリューションの提案という観点では後発になる。
しかし、執行役員 産業・流通システム事業本部長 東純一氏は「設計仮想化や解析などについては、自身が製造業であることからの経験と知見の積み重ねがある」と他社へとの差別化要因をアピールした他、製造業向けクラウドやサービスを既に運用していることから低コストでのサービス提供が可能になることこともメリットとして挙げる。
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