「IoTという言葉ばかりが先行し、実際に何をすべきか分からない」「収集したデータをどのように活用してよいのか分からず困っている」など。IoT導入の必要性に迫られながらもこうした課題を抱えている企業は多い。その解決策のヒントとして、「NIDays 2016」のセッションプログラムに登壇したイー・アイ・ソルによる講演、「IoT化のための導入ステップを基礎から学ぶ! オンライン状態監視システムの導入課題と解決事例」の模様を紹介しよう。
計測/制御分野におけるグラフィカル開発環境「LabVIEW」を中心とした、National Instruments(NI)の開発プラットフォームを活用した最新システム、業界動向および導入事例などを幅広く紹介するテクニカルイベント「NIDays 2016」(主催:日本ナショナルインスツルメンツ)が、2016年10月26日に開催された。
注目のセッションプログラムでは、「LabVIEW」「信号収集/出力/データロギング」「検査・試験」「制御・シミュレーション」の4トラックおよび体験セミナーが用意され、基調講演を皮切りに、さまざまな技術セッションに多くの聴講者が詰めかけていた。
本稿では、大盛況のセッションプログラムの中から、イー・アイ・ソル 常務取締役 平澤啓氏による講演「IoT化のための導入ステップを基礎から学ぶ! オンライン状態監視システムの導入課題と解決事例」の模様をお届けする。
イー・アイ・ソルは、日本で3社しかいないというNIのゴールドアライアンスパートナーで、主力事業のLabVIEWシステムの受託開発と、自社製品の開発・販売を手掛けている。通常、LabVIEWを用いたシステム構築はユーザー自身が行うか、イー・アイ・ソルのようなインテグレーターが行うのが一般的である。そのため、同社では多くの構築実績があり、NIの各種製品を活用したシステム構築だけでなく、必要であれば基板やラックの製作までも手掛けるという。実に、年間100案件以上のシステム構築および導入実績があるとのことだ。
そんなイー・アイ・ソルがこれまでのシステム構築の経験から得た、IoT導入の課題とその解決策について、生産設備、プラント、電力設備、各種装置、工場内・工事現場内などの“オンライン状態監視システム”を例に紹介した。
言うまでもなく、「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」はさまざまな業界で注目を集めている。とりわけ、産業・工業分野では「IIoT(Industrial Internet of Things)」などと呼ばれ、単なるコスト削減や効率化にとどまらず、生産ラインの品質向上や設備機器の予防保全、現場環境の改善、さらには新たな製品価値の創出といった部分で大きな期待が寄せられている。
イー・アイ・ソルは、IoTという言葉が広く浸透する以前から、ネットワークを活用した分散計測や遠隔計測などに取り組んでおり、近年のIoTブームでさらに案件数が増加しているという。そうした中、「実はIoT導入に対して、お客さまはさまざまな課題に直面している」と、平澤氏は語る。
顧客が抱えるIoT導入の課題とは、例えば次のようなものだという。
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