SOLIDWORKS World 2019
開かれた3DEXPERIENCEの扉――その変化にSOLIDWORKSユーザーは何を思う(1/3 ページ)
SOLIDWORKSの年次ユーザーイベント「SOLIDWORKS World 2019」で発表された新戦略「3DEXPERIENCE.WORKS」。より“ダッソー・システムズ色”が強まったといえるこの動きに、SOLIDWORKSユーザーは何を思うのか。3つの視点にフォーカスして、同イベントを振り返ってみたい。
今回の「SOLIDWORKS World 2019」(会期:現地時間2019年2月10~13日/場所:米国テキサス州ダラス)は、どちらかというと新製品や新機能にフォーカスした従来の内容というよりも、戦略やビジョンに関するSOLIDWORKSとしての(ダッソー・システムズとしての?)意思表示、宣言のような側面を強く感じた。
一言でいうと、より“ダッソー・システムズ色”が強まったといえる。現地にいたSOLIDWORKSユーザーからは「いよいよか」との不安とも取れる声も聞かれ、“その変化”をどう受け止めてよいか思いをめぐらしている様子だった。
このたびの開催を含めて過去5回、SOLIDWORKS Worldの取材をしてきた立場から、彼らがこれまで訴え続けてきた、
- ユーザーコミュニティーとの絆
- SOLIDWORKSの垂直/水平展開
- 3DEXPERIENCEプラットフォームとの連携強化
の3つの視点にフォーカスし、SOLIDWORKS(あるいはこのイベント)がどう変わろうとしているのか整理してみたいと思う。
ユーザーコミュニティーとの絆
SOLIDWORKSはメインストリーム(主に中堅、中小企業)にフォーカスした3次元設計ソリューションとして位置付けられ、現在ユーザー数は世界で約600万人いるといわれている。その対象は、ビジネスの世界のみならず、教育や芸術といったさまざまな領域にまで広がっている。
今回のSOLIDWORKS World 2019は、従来のSOLIDWORKSユーザーおよび関係者に加えて、学生やアントレプレナー(起業家)にも広く門戸を開いたことで、過去最高の6000人超の来場者が詰め掛けたという。
その熱気はいつも以上で、ゼネラルセッション会場のドアが開くと同時に猛ダッシュして席を確保する様子はもちろん健在。イベントの中身自体も、その構成などは変化(次回へのフリなのか?)したものの、ゼネラルセッションの他、SOLIDWORKSユーザーがモデリング力を競うモデルマニアやユーザーの機能改善要求の上位をまとめたトップ10リスト、次期SOLIDWORKSに搭載予定の新機能および機能強化ポイントを寸劇で紹介するスニークプレビューなどは例年通り行われた。そういった意味で、“SOLIDWORKSユーザーのためのイベント”という位置付けに変わりはなかった。
ただ唯一、“違い”を感じたのは、会場の装飾・デザインの色調が青色(ダッソー・システムズのカラー)がメインで、赤色(SOLIDWORKSのカラー)がわずかに使われていたことだ。考え過ぎかもしれないが、あるユーザーさんからこのことを指摘されて、「あー、これは次回からイベント名が『3DEXPERIENCE World』に変わる布石だな」と妙に納得してしまった(参考:前回「SOLIDWORKS World 2018」の様子)。
実際のところ、SOLIDWORKSユーザーの皆さんがどう感じているかは分からないが、個人的には熱狂的な世界中のSOLIDWORKSユーザーに長年親しまれてきたイベントから、“SOLIDWORKS”の名前がなくなることに寂しさを感じてしまった。
このことについて、SOLIDWORKSのブランドCEOであるジャン・パオロ・バッシ氏は「3DEXPERIENCE Worldとなっても、SOLIDWORKSユーザーがこのイベントに期待してきたことを大きく変えるつもりはない。そこに(3DEXPERIENCE.WORKS戦略による)新たな付加価値を加えていく」と日本の報道陣に対して回答している。
この言葉が示す通り、恐らくSOLIDWORKSユーザーのためのイベントという路線をいきなり大きく変更することは考えにくく、次回の3DEXPERIENCE Worldではあくまでも中心はSOLIDWORKSユーザーであり、今回発表のあった「3DEXPERIENCE.WORKS」戦略を交えた形での方向性、新機能や新製品などの話題が展開されるのではないだろうか。
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