SOLIDWORKS World 2019
開かれた3DEXPERIENCEの扉――その変化にSOLIDWORKSユーザーは何を思う(2/3 ページ)
SOLIDWORKSの垂直/水平展開
バッシ氏がSOLIDWORKSのブランドCEOに就任した直後(2015年当時)から、語っていたことの1つが、SOLIDWORKSの垂直/水平方向への展開の重要性だ。SOLIDWORKSのプレゼンスをさらに拡大するためには、この両面からの強化が不可欠であり、SOLIDWORKSとしてここ数年注力してきたテーマでもある。
さまざまなニーズに適したツールを提供していく垂直方向の展開として、今回のSOLIDWORKS World 2019の目玉の1つとなったのが、xAppシリーズの第2弾「xShape」だろう(関連記事:「xDesign」に続く、SOLIDWORKSブランド第2のxApp「xShape」登場)。
こちらはクラウド世代に向けたWebブラウザベースの設計環境として、3年前の「SOLIDWORKS World 2016」で発表された「xDesign」と並ぶ設計ツールである。xDesignがどちらかというと、新規層の獲得を狙ったプロダクトであるのに対して、xShapeはSOLIDWORKSユーザーを狙ったもので、これまでSOLIDWORKS単体では難しかった自由曲面などを含む有機的な形状を作り出せるのが特長である。もちろん、デスクトップのSOLIDWORKSや3DEXPERIENCEプラットフォームとのシームレスな連携が可能で、初期段階の設計検討、概念設計などで強みを発揮するとしている。
概念設計という観点でいうと、実は「SOLIDWORKS Industrial Designer」というツールが存在しており、用途の意味ではxShapeと競合してしまっている。これについて、現段階の情報ではデスクトップかクラウドベース(Webブラウザベース)かという違いしか見えておらず、将来的には「xShapeの方が機能的に先行していく可能性が高い」(xAppシリーズの開発責任者)という。また、ダッソー・システムズの「SIMULIA」をベースとしたxAppの開発も検討しているとのことなので、今後、SOLIDWORKSブランドの垂直方向への展開はデスクトップ製品よりも、xAppをはじめとするクラウド製品がけん引することも十分に考えられそうだ。
一方、水平展開については、3DEXPERIENCE.WORKS戦略の中で語られていたように、3DEXPERIENCEプラットフォームという基盤の上に、「PLAN」「DESIGN」「SIMULATE」「MANUFACTURE」の各プロセスに役立つ、3DEXPERIENCEプラットフォーム対応のさまざまな機能を展開していく。早速第1弾として、IQMSあらため「DELMIAWORKS」をMANUFACTURE領域向けに展開することを発表。これまでSOLIDWORKSでカバーしてこなかったERPおよびMESに関連した機能を、SOLIDWORKSと同じメインストリーム向けに提供していくという。また、既に3DEXPERIENCE.WORKS戦略に基づく、SIMULIAの技術(Structural Simulation Engineer)をベースとするシミュレーション関連の機能の開発も進んでいるとのことだ(関連記事:新戦略「3DEXPERIENCE.WORKS」はSOLIDWORKSを次なるステージへと押し上げるか)。
3DEXPERIENCE.WORKS戦略は、ダッソー・システムズ製品の機能や技術を切り出してSOLIDWORKSのメインストリーム向けに提供するという考え方にとどまらず、IQMSのケースのように、企業買収をしてリブランディングを行って展開するケースも考えられる。
少し混乱したのが、その名称だ。IQMSがDELMIAWORKSという名前になったことを考えると、SOLIDWORKSと同じメインストリーム向けで、かつ外から買ってきたツールに関しては“WORKS”という名前が付くのか? IQMSの領域がMANUFACTUREに該当するので“DELMIA”を冠しているのであれば、例えば新たに買収したツールがPLAN領域に該当するものであれば「ENOVIAWORKS」になるのか? など……。
このあたりに関してはうまく整理が付かなかったが、いずれにせよ次回3DEXPERIENCE Worldのころには、もう少し全容も見えてくることだろう。
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