第273回 NRIメディアフォーラム
勢い止まらぬ深セン、スタートアップのイノベーション創出を支えるエコシステム(1/2 ページ)
野村総合研究所(NRI)は「第273回 NRIメディアフォーラム」を開催。「2024年度までのICT・メディア市場の規模とトレンドを展望」をテーマに、注目市場およびトピックに関する動向と将来予測を解説した。本稿ではその中から「スタートアップ企業を支える中国深センのエコシステム」の話題について取り上げる。
野村総合研究所(以下、NRI)は、IT市場を中心とした動向分析と予測を行う『ITナビゲーター』の2019年度版の発刊に併せ、「第273回 NRIメディアフォーラム」を開催。「2024年度までのICT・メディア市場の規模とトレンドを展望」をテーマに、注目市場およびトピックに関する動向と将来予測を解説した。
本稿ではその中から「スタートアップ企業を支える中国深センのエコシステム」の話題について取り上げる。
⇒NRIメディアフォーラム「産業用ドローン市場」のレポートはこちら
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深センになぜ人材や資金、技術が集まるのか?
まず、深センにおける起業数および東京との比較を紹介しよう。
中国はもともと起業数の多い国だが、深センは同じ中国の上海や北京と比較しても特に多くの起業が行われている。2016年の新規登録企業数を見てみると、深センが38万6704社と断トツで、上海が29万5333社、北京が22万2000社と続く。これに対し、東京における新規登録企業数は3万7679社と少なく、深センの10分の1程度にとどまる。この傾向は、人口1万人当たりの新規登録企業数で見ても同様で、深センが320に対して、東京が29と約10倍の開きがある。
さらに深センの勢いが分かるのが、国際特許出願数である。2017年の中国企業の国際特許出願数(PCT:Patent Cooperation Treaty)では、深センに本社を構える企業の出願件数が中国国内総数の50%弱を占めているという。「この結果から分かる通り、深センは中国のイノベーションを支えているといっても過言ではない」(NRI上海 副主任コンサルタント 鄭源氏)
では、世界と比較して深センが得意とするR&D(研究開発)の領域はどこか? 「米国シリコンバレーでは非常に広範な領域で研究開発が行われているが、深センが得意とする領域は限定的である」と鄭氏は説明する。特に、深センで盛んなのがコンシューマーエレクトロニクス領域、製造・ロボティクス領域で、さらに近年急速に勢いを増しているのがヘルスケア・ライフサイエンス領域だという。
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