「人工知能(AI)」が近い将来、自分たちの仕事を奪うのでは? ガートナー ジャパンが発表した意識調査の内容と、矢野経済研究所が予測する人工知能が活用される産業分野について取り上げる。
「人工知能(AI:Artificial Intelligence)」が近い将来、自分たちの仕事(の一部)を奪うのでは? そのように考えている読者も少なくないだろう。
ニュースなどで話題となったプロの囲碁棋士(人間)と人工知能の戦いや、IBMの自然対話型人工知能「Watson(ワトソン)」のビジネス利用など、ここ最近の人工知能のめまぐるしい発展や利活用の現状をみると、期待とも不安ともとれないような何とも言えない気持ちになるのも事実だ。果たして、人工知能は自分たちの仕事や社会環境にどのような効果/影響を及ぼすのだろうか。
ガートナー ジャパンは2016年4月、「人工知能に関する意識調査」の結果を発表した。
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同調査では、「今後10年以内に人工知能が仕事にどのように影響するか?」を確認。その結果、人工知能が「仕事を奪う」もしくは「サポートする」と回答した人の合計が全体の54.6%を占め、今後10年以内に人工知能が何らかのかたちで仕事に影響すると考えている人が半数近くいることが分かった。この結果に対し、ガートナー ジャパンは、「人工知能に対する関心は高く、多くの人が人工知能による将来への影響を自分たちの問題として捉え始めていることが、今回の調査結果からも明らかになった」と述べている。
さらに同調査では、「人工知能に関するスキルを獲得したいか?」についても確認。その結果、「スキルを獲得したい」が41.3%を占め、人工知能に関連する何らかのスキルを得たいとする人の割合が相当数存在することが明らかになった。
今回に調査結果についてガートナー ジャパンは、「2016年に入って、『人工知能』や『機械学習』といったキーワードに関する問い合わせが増えてきている。その多くが『どこから始めたらよいか?』というもので、今回の結果はこうしたトレンドをデータで裏付けるものとなった。また、多くの企業がその価値を理解しようとするだけでなく、自ら試行しようとしていることが今回の調査結果からも見てとれる。ただその一方で、市場が“何でもかんでも人工知能”となってしまっている傾向にあり、混乱している。企業は引き続き可能性を探ると同時に、人工知能の現実をきちんと認識し、実践に備えるべきだ」と述べている。
では、人工知能はどの領域で活用が進んでいくのだろうか。
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