NRIメディアフォーラムより
「サービスロボット」の最新動向【前編】(1/3 ページ)
「第233回NRIメディアフォーラム」(主催:野村総合研究所)の中で紹介された「『サービスロボット』の最新動向」を基に、サービスロボットの今とこれからについて説明する。前編では「なぜ、今サービスロボットなのか?」について取り上げる。
過去幾度となく訪れたロボットブーム。果たして今回のブームは本物なのだろうか?
これまでロボット市場の中心的存在は「産業用ロボット」であったが、ソフトバンクロボティクスが開発・提供する人型ロボット「Pepper」の登場により、生活の中における“人間のパートナー”としてロボット(サービスロボット)の可能性が示されようとしている。「ロボットと生活を共にする社会」の実現はまだ第一歩を踏み出したばかりだが、今後のロボット市場、特にサービスロボット市場はどのように進展していくのであろうか。
本稿では、2016年3月17日に野村総合研究所が開催した「第233回NRIメディアフォーラム」の中で発表された「『サービスロボット』の最新動向」(発表者:野村総合研究所 IT基盤イノベーション本部 デジタルビジネス推進部 主任研究員 長谷佳明氏)の資料を基に、サービスロボットの今とこれからについて、前編・後編に分けて紹介する。
前編では、「なぜ、今サービスロボットなのか?」について取り上げる。
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なぜ、今サービスロボットなのか?
日本政府は「日本再興戦略」(改訂2014年)において、「ロボットによる新たな産業革命」と題して「ロボット革命実現会議」を開始し、2015年1月に「ロボット新戦略」を公表した。その中で政府は、2015年から東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までの5年間で、ロボット開発に関する民間投資の拡大を図り、1000億円規模のロボットプロジェクトの推進を目指す旨を明らかにしている。
実際に、政府はロボット開発プロジェクトの推進に必要となる規制改革などの制度環境整備への協力姿勢も示しており、日本が抱える少子高齢化社会による労働人口減少などの社会問題を、ロボット技術の利活用で解決・緩和していこうという期待が見てとれる。
では、ロボット産業の成長性はどうだろうか。少し前のデータだが、2010年に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が発表した「ロボットの将来市場予測」によると、2015年時点のロボット産業はこれまでと同様に産業用ロボットが市場をけん引してきたが、2020年になるとサービスロボットが台頭し、産業用ロボットの市場規模と同等になるとしている。
そして、それ以降はサービスロボットの市場規模が年々拡大していき、2035年には9.7兆円規模といわれるロボット産業全体のうち、サービスロボットの市場規模は5兆円を占めると予測され、産業用ロボット(1.5兆円)の約2倍の規模になるという。
コミュニケーションロボットとは?
ロボットは、大きく産業用ロボットとそれ以外のサービスロボットに分類することができる。
産業用ロボットとは、主に工場の生産ラインの自動化など、生産効率の向上を目的に何らかの製造プロセスに組み込まれて作業を行うロボットである。この産業用ロボットの分野は、日本のロボット産業の発展を支えてきた根幹といえ、世界的に見ても日本の産業用ロボットはかなりのシェアを誇っている。
一方、サービスロボットとは、人間の能力の拡張/補助/生活支援などを目的にしたもので、医療、介護・福祉、警備、ペット(癒し)などの分野で使用されるロボットや、接客・案内、教育などを行うコミュニケーションロボットが含まれる。サービスロボットはその応用範囲が広いため、ロボットの形状や大きさ、材質などさまざまである。
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