設計者CAEは普通の解析と何が違う?(9)
解析専任者でなくても理解しておきたい「荷重」と「応力」のキホン(1/2 ページ)
「設計者CAE」という言葉が設計現場で聞かれるようになって久しいですが、3D CAD推進とともにきちんと設計者CAEに取り組んでいる企業もあれば、まだ途上あるいは全く着手していないという企業もあるかと思います。連載第9回では、「荷重」と「応力」の基礎について解説します。
前回は、「What(何を解析したいのか)」「How(どのような方法で、どのような手順で解析するのか)」の観点から、「構造解析とは何か?」を説明しました。設計者が「設計者CAE」を運用する際は、最低限、構造解析の基本だけでも理解しておくべきだと筆者は考えます。
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今回も「荷重」と「応力」の話を続けていきます。まずは、荷重についてです。
荷重(Load)とは
荷重には、「外力」と「内力」があります。
外力は“物体に作用する外部からの力”のことで、物体の表面に作用する力を指します。対象となる物体に対し、異なる物体からの自重が力となって加わる場合、何らかの機構によって“押す力”が対象に加わることがありますが、これが外力です。
一方の内力は、対象となる物体自身の重力による影響や遠心力による影響が、物体の表面ではなく内部に生じるものです。
また、荷重は図2に示すように分類できます。筆者は、構造解析を行う場合、どのタイプの荷重も扱います。CAEによる構造解析を行う場合は、必ずこの荷重を設定しなければなりません。前回も説明しましたが、力学的挙動の式は、
[F(外力)]=[K(バネ定数)]×[X(変形量)]
で表すことができます。
このうち2つのパラメータが分からないと、計算結果を求めることはできません。その荷重のタイプや大きさ、方向が未知であるならば、詳細設計において設計者自身が、その“見積もり”を行う必要があります。
従来、設計計算書を用いて設計者自身がこうした見積もりを行ってきたはずです。また既に、これまで解説してきたようなDFMEAシートを解析担当者と詰めているのであれば、設計者と解析担当者の間で十分な議論を行い、未知の部分に対する見積もりを行うべきでしょう。
- 設計者が決める荷重
- 荷重のタイプ
- 荷重の大きさ
- 荷重の方向
荷重のタイプ
また、荷重は次の2タイプに分類できます(図3)。
荷重の大きさが時間によって変化せず、常に一定のものは「静的荷重」で、静解析によって解析を行います。これに対して、荷重の大きさが時間によって変化するのが「動的荷重」であり、一般的に線形動解析によって解析を行います。
さらにこの動的荷重は、
- 変動荷重(Variable Load)
- 繰り返し荷重(Cyclic Load)
- 衝撃荷重(Impact Load)
の3つに分類できます。
荷重の時間による変動が分かっている場合、地盤振動、落下などの解析があります。他にも非線形動解析もあります。これは慣性や減衰力を用いるものです。設計者CAEにおいては、筆者の経験では、静的荷重を用いることが多くあります。また、動的荷重であっても、最大荷重を見積もることで解析が可能です。
物体に荷重が作用しているとき、何が起こっているのか?
さて、物体に荷重が作用しているとき、何が起こっているのでしょうか? 言い方を変えると、弾性体に荷重が作用しているとき、その物体が拘束されていなかったらどのようになるのでしょうか?
“拘束されていない”ということは、物体は動くことが可能です。この場合、拘束されていない物体は加速度運動を始めてしまいます。拘束されていることによって、拘束面に作用する荷重の反力が生じ、力の均衡が取れるのです。中学校で習う「作用反作用の法則」です。
少し前に話題となった「壁ドン」は、壁にとってみれば、衝撃荷重になります。壁が加速度運動をしないのは、壁の拘束面において作用反作用の法則が成り立っているからです。
さて、余談ですが、壁ドンをしている腕に注目してみます。壁ドンをした際の衝撃に対して、マクロ的に見て腕が変形していないのは、腕の筋力や骨の力によるものでしょう。これは内力ともいえます。
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設計者CAEは普通の解析と何が違う?
「設計者CAE」という言葉が設計現場で聞かれるようになって久しいですが、3D CAD推進とともにきちんと設計者CAEに取り組んでいる企業もあれば、まだ途上あるいは全く着手していないという企業もあるかと思います。本連載では、設計者CAEがもたらすメリットや実際に導入していく上での注意点を、現場目線でご紹介します。◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[CAE][設計者CAE][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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