シリーズ「モノづくりの現場から」(クボタ 枚方製造所)
クボタの「喧噪音が飛び交う」組み立てラインに静寂を呼んだ、四角いブロック(3/3 ページ)
ビーコンを使った屋内位置測定で出荷前の滞留を防ぐ
ねがブロの本導入開始は2018年1月であり、現在はミニバックホー製造ラインの組み立てにおける全工程(25工程、25個)へ配置されている。通知は1本の通知用リストバンドに集約して受けるようにしているが、通知用リストバンドは5本が納品済みであり、将来的には「ある工程からの通知はリストバンドAで受け、別工程からの通知はリストバンドBで受ける」といった柔軟性を持たせることも検討している。
ねがブロ導入は組み立てラインにおける、“人を呼ぶ”仕組みの効率化において大きな成果を上げているが、ミニバックホーの製造においては、組み立てられた“機体の管理”についても新たな取り組みに着手している。ビーコンを用いた機体の状態(位置)把握だ。
枚方製造所ではミニバックホーを作るだけではなく、当然ながら、作った後の検査も行っている。ただ、ひとくちにミニバックホーと言ってもクボタでは「後方小旋回タイプ」「超小旋回タイプ」「標準機」と3シリーズを展開しており、シリーズ内でもサイズやエンジン出力、バケット容量などのバリエーションがある。これらをあわせると、Webサイトに掲載されているだけでも16モデルが存在する。
組み立てられた製品は検査を行う必要があるが、製品によって検査項目は異なる。そのために、まず把握すべきは「出荷すべきモデルが現在検査工程のどこにあるか」であり、これを解消するためにビーコンによる屋内位置捕捉が導入されている。組み立てられたミニバックホーは検査工程に入る際にビーコンが装着され、施設内のどこにあるかが可視化される。この結果、滞留時間を減少させたスムーズな検査と出荷が実現している。
この取り組みはまだ試験段階であり、「位置検出の精度もまだまだ高める必要がある」(青木氏)という。しかし。1日に約90台のミニバックホー生産を行う中、組み上げた機体をスムーズに出荷する工程も重要である。「ITによる製造業の改善」というと、大掛かりなシステム導入の話ばかりが目に付くが、現場からの発案で行われたねがブロやこのビーコンの導入もITによる製造業の業務改善である。
ねがブロについては、呼び出し内容や回数の蓄積、それに既存アンドンシステムとの融合が今後の課題となっているというが、本導入以来、対応遅れによるラインストップは起きておらず、大きな成果を上げているといえる。効果を見た枚方製造所の他部門も興味を示しており、「銀座で見つけた小さなブロック」が広大な敷地と多くの従業員を擁する、枚方製造所のさらなる作業効率改善に寄与することになりそうだ。
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シリーズ「モノづくりの現場から」
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