シリーズ「モノづくりの現場から」(クボタ 枚方製造所)
クボタの「喧噪音が飛び交う」組み立てラインに静寂を呼んだ、四角いブロック(2/3 ページ)
現場主導の試験導入、激減した呼び出し回数
枚方製作所では業務改善について、現場レベルでの意識も高い。全体としての工程管理や情報システムといった仕組みも存在するが、奥畑氏の従事する建設機械製造においては製造品目が多く、また、カスタマイズ需要もあるため、現場で対応していく方が合理的という側面もあるためだ。
ねがブロの試験導入についても動きは素早かった。奥畑氏が銀座シックスで見つけたのが2017年の10月、翌月にはデモ機を借り受け、発見から2カ月程度で試験導入を開始している。「こうした現場で活用できそうな新しいモノというのは、そう簡単に見つかるものではありません。いいものがあったよ!と聞いて、現場主導での試験導入を開始しました」(建設機械製造部 製造2課 青木拓也氏)
導入に際して、ねがブロの呼び出し項目をまずは「ピッキング」「品質確認」「タップ(「ネジ穴径を直す工具を持ってきて欲しい」の意味)」「コール(エリア担当者)」の4つに設定した。設定はタブレットにインストールしたアプリから現場で即座に行えるため、設定変更のたびに業者を呼ぶ必要がないのも好都合だった。
緊急性の高い案件については既設のアンドンシステムの呼び出しを使い、その他の呼び出しにねがブロを活用した。その導入効果はてきめんだった。ベルという音で呼ぶ仕組みではなく振動で呼ぶため、組み立てラインが非常に静かになり、職場環境が劇的に改善されたのだ。
作業責任者からも、「大音量で呼ばれなくなり、職場が快適になった」と好評を博した。業務上仕方がないと割り切っていたつもりでも、作業音を上回るほどの警告音はやはり大きなストレスとなっていたのだ。呼び出す側としても「呼ぶと大きな音が鳴る」ことがなくなったため、作業責任者を呼ぶことの心理的なハードルが下がった。現場に携わる作業者と作業責任者のいずれにも良好な反応を得たと言えるだろう。
ねがブロで人を呼ぶ場合、呼ばれる理由がある程度は類型化されるため、呼ばれる側も準備ができ、現場内での移動にも無駄が減る。これは導入前から想像できたことであるが、想像していなかった効果も確認できた。呼び出しの回数そのものが激減したのだ。
導入前は多い日だと1日70回以上もの呼び出しがあったが、導入して1週間程度でその回数(作業者による担当者の呼び出し)は少ない日で一桁まで激減した。組み立てラインにおいて、「とにかく責任者を呼ばなくてはならない」という緊急度の高い呼び出しは少なく、その多くが定型化できる通常作業であることが判明したのは、ねがブロ導入の思わぬ、そして大きな副産物だったと奥畑氏は話す。
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シリーズ「モノづくりの現場から」
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