3Dマシンビジョン
量産ラインで本格稼働する「3Dマシンビジョン」、その仕組みと導入メリット(1/3 ページ)
生産ラインにおいてばら積みされた部品のピッキング作業は運搬と並び人手で行われる事の多い作業だが、3Dマシンビジョンとロボットによる自動化が普及しつつある。3Dマシンビジョンの主な方式や製造業における導入事例、導入メリットについて解説する。
なぜ3Dマシンビジョンを導入すべきか
製造業の生産ラインにおいて、バラ積みされた状態の部品をロボットでピックアップして次工程に供給する「部品供給工程の自動化」が着目されている。
部品は通常、他の工場や工程で製造され、輸送などにおいて部品箱の中でバラ積み状態となっていることが多い。しかしロボットはバラ積みされた部品のピッキングは苦手であり、部品供給における工程については、ロボットが作業できるように人が所定の位置に部品を整列するなど自動化が進んでいなかった。
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パーツフィーダを利用できる場合もあるものの、大きな部品には適用できない、個別の部品形状に合わせた作り込みと調整が必要、部品が詰まるといった問題が生じることも多く、あらゆる現場に素早く適用できるかと言えば否となる。
他の手段として2Dビジョンを用いた認識(二次元認識)を使用する方法もあるが、二次元(平面方向)の認識であるため、高さが不定のバラ積み部品の位置や姿勢の認識ができないという問題が残る。
この課題は、バラ積み部品の三次元認識が可能な「3Dマシンビジョン」の導入で解決することが可能である。そこで、キヤノンは、従来不可能であったバラ積み部品のピックアップを高速かつ高精度に行える三次元認識機能を搭載した製品「RV1100」「RV500」「RV300」を開発し、生産ラインにおいて、部品供給工程の自動化を実現するための生産現場の新しい姿を提案している。
ここでは3Dマシンビジョンシステムの現状、キヤノン製システムで用いられている3Dマシンビジョンシステムの処理フローと特徴、3Dマシンビジョンシステムの導入シーンについて解説する。
製造業における「3Dマシンビジョンシステム」の現状と分類
3Dマシンビジョンシステムは、大きく分けて「部品の3D CADモデルを用いるタイプ」と「部品の3D CADモデルを用いないタイプ」の2方式に分類される。
部品の3D CADモデルを用いるタイプは、3Dマシンビジョンで計測した三次元計測の結果と部品の3D CADモデルから部品の位置と姿勢を認識し、所定の位置に置いて部品を供給する。
3次元計測と3D CADモデルによって既に部品の姿勢が把握できているため、別途、部品の姿勢を認識するための2Dマシンビジョンや部品をつかみ直す仮置きが不要となる。よって、シンプルな部品供給ラインを実現でき、タクトタイムが短くなる。部品を所定の位置と姿勢で供給する必要がある場合には、本方式の導入が望ましい。
部品の3D CADモデルを用いないタイプは、まず、3Dマシンビジョンで計測した三次元計測結果から、ロボットハンドが把持できる部品の略水平部を見つけ出し、ピッキング可能な部品を取り出す。取り出した状態ではピッキングした部品の位置と姿勢を特定できていないため、部品を一度仮置きして、別の2Dマシンビジョンで部品の位置と姿勢を認識する必要がある。
このように部品の仮置き工程が入るため、3D CADモデルを用いるタイプに比べてライン配置が複雑となり、タクトタイムが長くなる。また、部品サイズに対して、十分大きい略水平部が必要となるなど、部品形状に制約が生じる。なお、部品の略水平部の他に、部品の隙間部を見つけ出し、そこにロボットハンドを突き刺してピッキングするタイプもある。
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