3Dマシンビジョン
量産ラインで本格稼働する「3Dマシンビジョン」、その仕組みと導入メリット(2/3 ページ)
3D CADモデルを利用する3Dマシンビジョンシステムの処理フロー
量産ラインで本格稼働が始まった3Dマシンビジョンは、仮置き不要の3D CADモデル利用タイプが多い。本方式におけるソフトウェアの処理フローについて、キヤノン「RVシリーズ」を例に説明する。RVシリーズの処理フローは、次の4つの工程からなっている。
- 1.複数種類のパターンを投影し、バラ積み部品の距離点群データを計測する
- 2.バラ積みの中から、部品を検出する
- 3.3D CADモデルを用いて、部品の精密な三次元位置と姿勢を求める
- 4.ロボットハンドが部品をピックする過程で、周囲に干渉することなく把持可能か判定する
1.の距離点群計測とは、2Dビジョンにおける濃淡画像の取得に相当するものであり、その入力を基にした2.~4.の機能こそが3Dマシンビジョンとして重要な機能である。しかしながら、市販製品の中には3次元距離点群の計測のみを搭載し、2.~4.の機能を搭載していないものも多い。そうした場合には、2.~4.について個別システムごとにプログラミングして作成する、あるいは、別途本機能を備えたソフトウェアを購入する必要がある。
キヤノンRVシリーズの場合、ソフトウェアは「バラ積みの中から、部品を検出する」「3D CADモデルを用いて、部品の精密な三次元位置と姿勢を求める」という部品の位置検出と姿勢認識が行え、加えて「ロボットで把持可能か否かを判定する機能」までを実現している。そのため特別な知識やスキルを必要とせず、プログラミングレスで簡単にシステムを構築できる。
右図がセットアップ画面である。この画面を起点にしてワーク情報、パレット情報、ハンド情報、把持情報を順番に登録していくことで、部品の位置姿勢計測に必要なデータセット(タスク)を生成できる。また、通常は複雑な設定作業が必要となるワーク情報の登録は、CADデータの入力と5枚の山積みされた部品の撮影を行うだけで登録できる。
またキヤノンのRVシリーズのハードウェアであるマシンビジョンヘッドは、パターンを投影するプロジェクターと画像を取得するカメラを一体化した構造になっている。一体化されていない製品ではプロジェクターとカメラ、それぞれの位置関係を調整する必要があるものの、RVシリーズの場合には、マシンビジョンヘッドをパレットの上部に設置すればよいだけであり、難しい調整は不要である。
マシンビジョンヘッドの大きさは一般的なオフィス用プロジェクター程度の約6.5kg/約250×210×130mm(RV1100/RV500/RV300共通)であり、生産ラインの変更や移動に伴う移設にも手間がかからない。また、防塵・防水(IP54相当)で、ファンレスとなっているため、自動車工場などのオイルミスト環境下でも安心して使うことが可能である。
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